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読書感想文の書き方 中学生編 【永遠の0(ゼロ)】を例に

読書感想文

読書感想文の書き方に関しては、頭痛のタネになっている事と思います。簡単ですが、読書感想文の書き方について説明します。

【要点】

読書をして「主人公の行動を自分の体験と重ね、そこから学んだ事や感じた事をこれからの自分に生かそうとする気持ち」を書く事です。

1.何に感動したかを書く。

2.その感動を自分の生活に結び付けて書く。

3. 今までの自分の考え方がどう変わったかを書く。

※感動した場面を抜き書きすると分かりやすいのですが、抜き書きし過ぎると「あらすじだけの感想文」になってしまうので注意が必要です。

 

禁句
「すごかった」
「おもしろかった」

 

この禁句は「読書感想文の書き方 小学生編」でも書きましたが、これらの言葉を使ってしまうと、そこで感想文は終わってしまいます。故に続きが書けなくなってしまうのです。この禁句を使わずに「おもしろかった」「すごかった」事を文章にしてみましょう。

 

【付箋を貼る】

気になった部分に付箋を貼っておきましょう。ただ貼るだけではなく、付箋に具体的に書き込んでおくと書く時にその場所をすぐ読み返せるので便利です。

 

ポイント

・面白い場面

・楽しい場面

・悲しい場面

・腹が立った場面

・涙が出た(出そうになった)場面

・疑問に思った場面

・共感した場面

・自分と似た体験があった場面

・気に入った文章

 

【文の組み立て】

最初から本番で書くのではなく、必ず下書きをしましょう。下書きをする際、文章の組み立てを考えてみると良いでしょう。

 

1. はじめ

これから書こうとする事を書く。
2. なか

時間の流れや出来事の順序に従って、いくつかの文章を抜き書きする。

3. おわり

自分の考えのまとめを書く。

 

※ここでは映画化が決定し、2013年12月21日に公開予定の 永遠の 0 ( ゼロ ) ( 百田尚樹 著 , 講談社文庫 ) を例に取ってみます。

永遠の0(ゼロ)

※中学生には永遠の0 ( ゼロ ) は難しいかもしれませんが、全ての中学生にこの本を読んでほしいと思い、選びました。遅くとも高校を卒業するまでには絶対に読んで欲しいと思っています。

 

[一番書きたい事]

・戦争とは何か

・生きるという事について(時代による意味や考え方の違い)

 

[はじめ]

(自分の体験から書き始める)

例1

僕には90才になる祖父がいます。足腰が弱っているのですが、先日突然「墓参りに行く」と言い出したのです。祖父は自分では歩けず車イスの生活なのですが、どうしても行くと言ってききません。理由を聞くと「もう先は長くない。向こうで会う前に墓参りしたい」と言うのです。それは戦争で失った大切な、とても大切な親友だったのです。

例2

・私は先日、原爆に関するドキュメンタリーを観ました。昔、日本は世界と戦争をして原爆を落とされて負けた、という事くらいしか知らなかったし、授業で習った事についてもあまり深くは考えませんでした。しかし、何気なくついていたテレビを見続けるうちに、私の心の中には衝撃が走りました。

 

[なか]

(文の引用)(印象に残った事)(祖父や自分の事を振り返る)

 

※ここでは、特に文の引用部分を記載しておきます。

「愛してる、とは言いませんでした。我々の世代は愛などという言葉を使うことはありません。それは宮部も同様です。彼は、妻のために死にたくない、と言ったのです」 (P120)

 

「世界史的に見ても、組織だった自爆攻撃は非常に稀有なもので、かつてのカミカゼアタックと現在のイスラム原理主義による自爆テロの二つがその代表です。この両者に何らかの共通項があると考えるのは自然な考え方だと思います。現にアメリカの新聞では昨今の自爆テロのことをカミカゼアタックと呼んでいます」 (P125)

 

「俺は絶対に特攻に志願しない。妻に生きて帰ると約束したからだ」 (P352)

 

「特攻は十死零生の作戦です。アメリカのB17爆撃機搭乗員たちも多くの戦死者を出しましたが、彼らには生きて帰れる可能性がありました。だからこそ勇敢に戦ったのです。必ず死ぬ作戦は作戦ではありません。これは戦後ある人に聞いた話ですが、五航艦の指令長官であり、全機特攻を唱えた宇垣纏長官が特攻出撃を前にした隊員たち一人一人手を取って涙を流しながら激励した後、『何か質問はないか』と聞いたそうです。その時、ミッドウェーから戦っていたベテラン搭乗員が『敵艦に爆弾を命中させたら、戻ってきてもいいでしょうか』と尋ねたそうです。すると宇垣長官は『ならん』と言い放ったそうです」 (P414)

 

宮部はしかし生きるか死ぬかの戦いのただ中にあって、家族のことを何より考える男だった。武士が戦場で斬り合っている時に、家族のことを考えるか。今まさに国家の一大事というときに妻と子供が一番大切という男が許せなかった。 (P466)

 

特攻隊には十七、八の少年兵もいた。きれいな目をした奴らばかりだった。「喜んで死にます」と勇ましいことを言っていたが、心の底で恐怖と懸命に戦っているのがわかった。朝にはたいていの奴が目を腫らしていた。本人も気がつかないうちに布団の中で泣いていたんだろうよ。しかしそんな弱さを誰にも見せなかった。くそっ。何て奴らだ! (P486)

 

「全然違います。たしかにこの状況下では援護機も大変です。しかしそれでも私たちは九死に一生ということがあります。たとえ絶望的であろうと、生き残るために戦うことが出来ます。しかし特攻隊員たちは、十死零生なのです」 (P516)

 

目に入るすべてのものがいとおしかった。何もかもが美しいと思った。道ばたの草さえも限りなく美しいと思った。しゃがんで見ると、雑草が小さな白い花を咲かせているのが見えた。小指の先よりも小さな花だった。美しい、と心から思った。その花は生まれて初めて見る花だったが、この世で一番美しい花ではないだろうかと思った。 (P538)

 

私は後ろを振り返った。鹿児島湾がきらきらと光るのが見える。そしてその後ろに吸収の山々が朝日を浴びつつ、緑の色に塗られていく。美しい、と思わず呟いた。この美しい国を守るためなら、死んでも惜しくはないと思った。 (P541)

 

[おわり]

(自分が本を読んで考えた事)(まとめ)

例1

僕は十死零生という言葉にショックを受けました。今、憲法九条が議論されていますが、僕は二度と戦争を起こしてはならないと思いました。

例2

私はこの衝撃を忘れる事ができません。絶対に原爆ドームを訪れてみたいし、被曝した方から直接話しを聞きたいです。私には何もできませんが、この事実を風化させないために語り継いでいければと思います。

例3

俺は戦争のない、良い時代に生まれて良かったと思います。この本を読んでも戦争なんてピンとこないし、正直実感がわかないけど、「生きる」とか「愛する」ということの素晴らしさや「家族の大切さ」は、伝わってきました。

 

【まとめ】

・「主人公の行動を自分の体験と重ね、そこから学んだ事や感じた事をこれからの自分に生かそうとする気持ち」を書く。

・「おもしろかった」「すごかった」は書いてはいけない。

・気になった部分には付箋を貼り、具体的に書き込む。

・必ず下書きをし、文章の組み立てを考える。

 



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