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年末調整で【損】してませんか?

節約

毎年この時期になると、勤務先から「年末調整」関係の書類を提出するよう要請があります。

しかし、この書類の意味が良く分らなかったり、記入が面倒だからといって、適当に対応すると・・・

知らずしらずのうちに【損】をしてしまうことがあります。

「年末調整」の仕組みをあらかじめ理解しておけば、【損】を未然に防ぐことが可能ですよ。

ポイント

  • 月々の給料から源泉徴収されている所得税は、確定した税額ではなく、あくまでも概算によって徴収されています。所得税は、個人ごとに暦年単位で集計した所得や控除によって正式な税額が決まる仕組みになっています。

    暦年ごとの給与における所得税の精算行為を「年末調整」といい、会社(給与の支払者)がその処理をすることになっています。

    ●年末調整で所得税が還付(返金)されることがありますが、これは概算徴収されていた税の精算結果によるものです。
    場合によっては、追加徴収となる可能性もありますので、「年末調整=税金が返ってくる」という認識を持つのは危険です。

会社(給与の支払者)が「年末調整」を行うために、「給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書(下記URL参照)」という書類の提出を要請してきます。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h23_05.pdf

実はこの用紙に記載した内容によって、所得税の精算が行われるようになっているのです。

ですから、税金を計算する上で有利となる情報は、すべて記入しておかないと【損】になるのです。

では、実際に何をどう記入しなければならないか、その仕組みを順番に説明してみます。

生命保険料控除

  • 一般の生命保険料と個人年金保険料に区分され、それぞれの区分ごとに控除金額を算出し、最後に合計します。
  • (保険料の支払証明書を確認すれば区分が表示されています。)
  • どちらの区分においても、それぞれの年間保険料が10万円以上になれば、控除額は上限金額(5万円)に達します。
    それ以上いくら記入しても控除額は増えません。
  • 例)一般の生命保険料・・・「12万円の証明書(A)」、「6万円の証明書(B)」、「8千円の証明書(C)」、
  •   個人年金保険料・・・「18万円の証明書(X)」、「12万円の証明書(Y)」がある場合
  • このような場合、(A)と(X)もしくは(A)と(Y)の組み合わせのみ記載すれば上限に達しますので、それ以外の証明書の記入は不要となります。

地震保険料控除

  • 地震等の損害に対し給付金が支給される保険が対象となり、年間の保険料が5万円以上になれば、控除額は上限金額(5万円)に達します。
    それ以上いくら記入しても控除額は増えません。なお、旧長期損害保険とは、平成18年末日までに契約を締結した長期損害保険(保険期間10年以上で満期返戻金があるもの)を指しています。こちらは2万円以上で上限金額(1.5万円)に達します。

    両方に該当する場合、それぞれの控除額を算出後合計し、全体で5万円が上限金額となります。(地震保険で5万円以上保険料を支払っていれば、旧長期の記載は不要となります)

社会保険料控除

  • 給与から天引きされる協会けんぽ、厚生年金掛金、雇用保険料等以外で、今年中にご自身で支払った国民年金掛金や国民健康保険料がある場合は忘れずに記入してください。今年、中途就職したり、親族(お子さん)の国民年金掛金を負担したりした人は要注意です。

    上記の2つの控除には上限金額がありますが、この控除には上限金額の設定がありませんので、モレのないようすべてを記入してください。

小規模企業共済等掛金控除

  • 用紙に記載された種類の掛金を支払っている場合、該当する欄に金額を記入してください。(実際にこの控除に該当するケースは稀であり、一般的ではありません)こちらの控除も上限金額の設定がありませんので、モレなく記入してください。

配偶者特別控除

  • 扶養している奥様(ご主人)の年間所得が、38万円を超え76万円未満である場合、この控除に該当するようになりますから、記入が必要です。
    (パートなどの給与収入に換算すると、年収103万円を超え141万円未満の場合となります。)もし、配偶者控除の対象として会社に届出してある場合には、そちらを取り消す手続き(下記「注意」欄の後段を参照)も必要となります。

以上が、年末調整用の書類(給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書)に記入して申請する控除の概要となります。

用紙の裏面に添付しなければならない証明書等の説明が書いてありますので、忘れずに提出してください。

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この他にも注意していただきたい点がいくつかありますので、列記しておきます。

●「住宅借入金等特別控除」、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」に該当する人で、過去に確定申告をして証明書の送付を受けている人は、会社へ関連書類を提出すれば年末調整で手続きが完了し、確定申告が免除されます。
(今年、初めて手続きされる人は、確定申告をしていただく必要があります)

●今年、再就職した人は、従前の勤務先から「源泉徴収票」の交付を受け、提出してください。
暦年の収入による精算が完了し、確定申告が免除されます。
(失業給付金は「非課税所得」となるため、申告する必要はありません)

●扶養親族に異動があった場合や、ご自身が年の中途で障害者や寡婦等に該当するようになった場合は、会社に提出してある「平成23年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(下記URL参照)」への加筆修正をしてください。
正しい内容になっていれば確定申告する必要がなくなります。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h23_01.pdf

 

注意

  • 場合によっては、年末調整用の書類と一緒に「平成24年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が配布されるケースがあります。
    この申告書は、平成24年1月以降に支払われる給与から、所得税を源泉徴収するために利用する書類です。こちらに正しい内容を記入したからといって、「平成23年分・・・」を訂正しなければ、年末調整で正しい精算が行われませんので注意してください。
    (この書類はすでに給与担当者が保管しています)

年末調整に向け注意しなければならない点は以上ですが、文面からでは伝わりにくいこともたくさんあります。

分らないことや疑問は、実際に年末調整事務を行う会社の給与担当者にお尋ねいただくのが最善の方法です。

後で後悔することの無いよう、しっかりとご確認いただきながら書類を提出するようにしてください。

ヒント

  • 「医療費控除」、「寄付金控除」、「雑損控除」などの手続きは、年末調整では対応できません。
  • これらの控除を受けるには、必ず、確定申告しなければなりません。
  • また、給与以外の所得(不動産貸付収入や、保険の満期などの一時所得等)がある場合も年末調整では対応できません。
    確定申告もしくは住民税の申告が必要となる場合があります。


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