もちろん男性の事務員も中にはおりますが、会社から見ると一般的には女性の仕事と認識されています。
男はプライドが高くて使いにくい
色々理由はありますが、第一にフットワークが良くないとならない、意地悪い言い方をすると”アゴで使い易い”ということでしょうか。コピーや買い物など細々とした雑務も併せて担当していただく必要性がありますので、本人のフットワークが軽いのも必要ですし、周りの社員もそれを依頼し易い状態であることが求められます。こう考えると比較的若年の女性が適任であることがわかります。日本には儒教的な考えがまだまだ残っていますから、年上の方に雑用をお願いするのは気が引けますし、男性の中には必要以上のプライドをお持ちの方がいるので依頼しにくいというのが理由です。
従って会社は比較的若い女性を事務員として採用します。もちろん事務職として特殊な技能をお持ちであれば別ですが、一般的な事務員となると、男性を選んでまでという理由は希薄です。
高い給料を払えないから
もう1つ給与についてですが、給与は仕事の難易度と成果の大きさに比例して支払われるのを原則としないと、会社の経営が傾いてしまいます。会社組織の中で事務職の果たす役割の大きさと成果を、経営者や管理職や営業などの仕事と比べた場合、質問者さんはどのようにお考えでしょうか。もちろん社員は全員一生懸命仕事をすると思いますが、雨の日も寒い日も会社の中で事務を行なう事務職と、外を歩き回る営業が同じ給料だったら、営業はやってられません。従って事務職の給与はその仕事相応のものになっているのです。経験と共に技能が向上するのにも限度があります。つまり将来的にも給与の上がる余地はあまりないということになります。
月額15万円うらいの事務職はあるかと思いますが、その職に就くにはそれなりの工夫が必要になるかと思います。
求人内容も女性を求めてる
一般事務の仕事である、掃除、お茶汲み、お使い等が男性ができますか?
男性の応募が来ても、上司「お茶入れたり電話に出るのに女性が良いから」と断ってしまう場合があります。
いわゆる「受付・事務作業・庶務」のような仕事は、女性を求めていて、また賃金もその仕事のレベルにあったものになっており、「女性を求めているな」と分かるような求人の募集内容になっているから、男性で賃金が安くても事務職をしたいという者が、その一般事務員のような求人を見ても「男は必要ないと言っているな」と申し込む前に諦めるのでしょう。
男で事務職は大変!?
男で事務職で正社員となると、半端な業務量ではありません。私の勤める支店配下の営業所で約500名(契約社員も含め)いますが、経理職で正社員の男性は私と後輩君の2名だけです。その2名で40営業所以上の収支を見ており、収支分析や各種報告書を本社に上げています。また、資本金2千万円の支店近くにある子会社経理も決算から株主総会等まで、細かいところでは取締役会の議事録登記など司法書士とも話し合い全てを任されて(やらされて)います。
各営業所には、大きな営業所では正社員の女性事務員が1名か2名、小さい営業所ではパート女性1名が事務をしています。
私自身、前職までは、不動産営業職8年半でして、一般企業の経理実務は未経験でしたが、社宅管理も含めて事務系での中途採用となりました。宅建、管理業務主任者、そして入社前に取得した日商簿記2級、建設業経理士2級を持っていても、契約社員からの採用でした。その後、税理士試験科目簿記論、財務諸表論、運行管理者(貨物)、第一種衛生管理者の国家資格を取得してようやく正社員となりましたが、男でそこそこの給料を事務系でもらうとなると超狭き門です。
ただの事務職(一般職・事務員)なら男は要らない。男は、営業マンか作業員、理工系なら研究職か技術者で、事務系で男というのは本当に少数精鋭で会社側から、他には見せない内部の数値を見ることが許された者になるかと思います。