アメリカのベセスダ・ソフトワークスから発売されているジ・エルダー・スクロールズ(The Elder Scrolls)シリーズの5作目。全世界で1000万本を超える大ヒットオープンワールドアクションRPG。その日本語版の誤訳・珍訳がトンデモナイものぞろいなので紹介します。
- ▼人名
- アワビ(Abelone)
- アワビの英名「Abalone」ではなく「Abelone」。
- アワビ・・・? 海辺の町にしてもこのネーミングはちょっとひどすぎるんじゃなかろうか。
- カタカナ表記するなら「アベローネ」が適切か。
- レオナラの家の鍵(Leonara Arius)
- 作中には「レオナラの家」という建物も「レオナラの家の鍵」というアイテムも存在しない。
- 海賊船 (Corsair)
- 最初の仲間 (First Mate)
- インゲの6本の指(Inge Six Fingers)
- ジャルデュル(Gerdur)
- 悪しきスザンナ(Susanna the Wicked)
- ヴァーミルナ(Vaermina)
- 公平なエリシフ(Elisif the Fair)
- ▼地名
- ドラゴンズリーチのダンジョン
- 宿屋「ブラック・ブライア」 (Black-Briar Lodge)
- パインクリーク洞窟 (Pinepeak Cavern)
▼人名
あの、人の名前です。念のため。
アワビ(Abelone)
ドーンスターに住むノルドの女性。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★★★★
面白度★★★★★
かわいそう度★★★★★
総合★★★★★
アワビの英名「Abalone」ではなく「Abelone」。
「Abelone」はデンマークの女性名。そもそも翻訳する前に人か食料確認もしていないことがわかる。
アワビ・・・? 海辺の町にしてもこのネーミングはちょっとひどすぎるんじゃなかろうか。
翻訳者「海辺の町だしこいつはアワビだな」ってそんなわけあるかーい!
カタカナ表記するなら「アベローネ」が適切か。
そもそも彼女の名前の「Abelone」はアワビとは全く関係ない。
レオナラの家の鍵(Leonara Arius)
スノー・ショッド農園に住む女性。
アワビと同じく人間です。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★★★★
面白度★★★★★
かわいそう度★★★★★
総合★★★★★
作中には「レオナラの家」という建物も「レオナラの家の鍵」というアイテムも存在しない。
どうみても人。Ariusに鍵という意味もない。
海賊船 (Corsair)
デインティ・スロート号の乗組員で海賊。
船ではない。
そしてこの無様な死に様である。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★★★★
面白度★★★★★
かわいそう度★★★★★
総合★★★★★
何の気なしに乗り込んでみると、わらわらと海賊が。・・・ってよく見たら、海賊じゃなくて「海賊船」と表示されてて思わず吹きました。
何人かいる。全員集まっても船にはならない。
Corsairには海賊船の意味もあるがこの場合海賊が正しい。
まったく実物を見て翻訳してない証拠。
最初の仲間 (First Mate)
デインティ・スロート号のオークの船長。
敵としかいいようがない敵。
声かけただけでめっちゃ殴ってくる。
めっちゃ殴ってくる。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★★★★
面白度★★★★
かわいそう度★★★
総合★★★★
正しくは一等航海士。FirstとMateを別々に訳したと思われる。
いくら攻撃に耐えようとも仲間にはならない。
さすがのエキサイト翻訳でも正しく翻訳される。
ここまで言われる翻訳者。
インゲの6本の指(Inge Six Fingers)
吟遊詩人の大学に勤める女性教員。
擬人化された指ではない。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★★★★
面白度★★★★★
かわいそう度★★★★★
総合★★★★★
ジャルデュル(Gerdur)
リバーウッドで製材所を営む女性。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★★★
面白度★★★★
かわいそう度★★★
総合★★★★
名前の発音はカタカナにすると「ガーダー(Gerdur)」に近く
翻訳者は音源を一度も参考にすることなく訳すのだろうかと
微妙な気持ちになる名前である
めちゃイケメンバーの芸人との関係はない。
ヲタクのデュフフwに似た響きを感じる。
ヲタク「ジャルデュルw」
悪しきスザンナ(Susanna the Wicked)
ウィンドヘルムのキャンドルハース・ホールの従業員の女性。
サバサバした女性ではあるが決して悪人ではない。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★
面白度★★★
かわいそう度★★★★
総合★★★
恐ろしげな二つ名を持つが仕事ぶりは真面目で、
町民のダークエルフ差別に批判的な発言をしたりする常識人である。
出典悪しきスザンナ
ダークエルフのことはよく理解せずになんとなく嫌っている人間も多い中、彼女は差別をしたりはしない。
「悪しき」とは、男を惑わす悪女的な意味でついたんだろうか。確かに若干ケバイ
確かに悪女っぽい容姿で近寄りがたくはあるが、Wickedには茶目っ気があるという意味もある。
ニホンゴムツカシイネー。
氷の上の血というクエストにてブッチャーと呼ばれている殺人鬼に殺されてしまう。
出典悪しきスザンナ
タイミングによっては彼女に会う頃にはすでに亡骸である。まるで2時間ドラマだ。
ヴァーミルナ(Vaermina)
夢と悪夢を司るデイドラの女神。
デイドラとは死の概念がない超常の存在であり、タムリエルの寿命を持つ人間とは異なる起源を持つ者である。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★★
面白度★
かわいそう度★★★
総合★★
スペルから見ると”mi”と”na”の間に”ル”の要素は見当たらない。
ゴロは良いが、rをもうひとつ空目してしまったのだろうか。にしても、デイドラの神に酷い仕打ちである。
ヴァーミーナと読むのが適当だろうか。
デイドラ全書にはバエアニマという名で登場。
これも「nとmの位置間違い」による読み方だと思われる。
こうして実に色々な呼び方というか読み方をされている御仁だが、
もしかしたら一番困惑しているのは御本人かもしれない。
出典ヴァーミルナ
これもうわかんねぇな
スペルの読み間違いと見るのが妥当だが、結局それはケアレスミスでGOサインが出ているということ。
ベセスダからの資料が少なすぎる、なんて言い訳利かないよね。
公平なエリシフ(Elisif the Fair)
ソリチュードの女性首長。
ウルフリックに殺された夫の後を継ぎ首長となった。
誤訳・珍訳度評価
バカ度★★★
面白度★★
かわいそう度★★★
総合★★★
Elisif the Fair の誤訳。「麗しきエリシフ」または「美しきエリシフ」あたりが適切な訳。”Fair” が女性名につく場合は映画 “My Fair Lady” の訳「我が麗しき貴婦人」のように「麗しき」「美しき」になる。
何の確認もせずにささっと誤訳してしまった感じ。
実際の彼女は賛否両論のなかなか大変な立場に置かれている首長である。
実際、どう見ても統治者としては褒められた人物ではない。
・ノルド古来の慣習法に従った門番を私情で公開処刑。
・同じく古来からの伝統ある祭典を私情で禁止。
・それが自分の立場に都合の良いものだと判明すると態度を一転。
・タロス崇拝禁止に与力しておきながら夫の葬儀はタロス式。
・責任を帝国の将軍に丸投げして地位だけは要求。
・宮廷内に奸臣を跳梁させる。
など、枚挙に暇が無い。
「公平な」とは明らかに誤訳ではあるが、某「親切者」や「偉大なる」首長と同じく、
結果的に底意地の悪い皮肉を込められた意訳となっている。
出典公平なエリシフ
▼地名
その土地の名前やランドマークの名前。
ドラゴンズリーチのダンジョン
ドラゴンズリーチとはホワイトラン首長の宮殿。
そこにあるダンジョン、らしい。
いかにも地底要塞っぽさを感じる……!
ここで言うダンジョンとは地下牢の事。日本ではダンジョンと言うと地下迷宮や洞窟をイメージするので、翻訳した方が良かったと思われる。
お決まりの実物を確認しないで語感だけで想像して翻訳したパターン。
宿屋「ブラック・ブライア」 (Black-Briar Lodge)
リフテンの富豪メイビン・ブラック・ブライアの邸宅。
彼女の私兵たちの住居にもなっている。
単にBrack-Briar家が所有している別荘に過ぎない。「ブラック・ブライア山荘」あたりが適切な訳。翻訳担当者がゲーム内でこの建物がどういうシチュエーションで使われるかをまったく確認しないで翻訳したためにこのような誤訳をしたと見られる。
ちなみにブラックブライアの当主、メイビンは人間の嫌な部分をかき集めたようなババ(ry大悪党である。
殺したいNPCナンバーワンでは?(彼女は殺せない、不死属性を持ったNPCである)
パインクリーク洞窟 (Pinepeak Cavern)
イヴァルステッドの北にある小さな洞窟。
クマくらいしか生息していない。
綴りに従えば、パインピーク洞窟。
どう読んでもパインピーク。ジャルデュルのように難しく考える以前の問題。
キャサリンの北100キロほどのところにあるパイン・クリークの町は、1870年代に金鉱が発見されて以来、ゴールド・ラッシュの町として栄えました。
アメリカのミネソタ州にはパイン・クリークなる街が存在するが日本にはかなりマイナーな地域だ。
そもそも綴りが全然違う。