2005年に社会現象にまでなった、あのテレビドラマ。実は2ちゃんねるでは当時電車男の出版に関する批判が高まっていました。今年で11周年を迎えるこの年に、その真相を考えてみませんか?
『電車男』(でんしゃおとこ)は、インターネットの電子掲示板である2ちゃんねるへの書き込みを基にしたラブストーリー(恋愛小説)。名称は、投稿した人物のハンドルネームに由来する。ネットで生まれた感動の物語として単行本化されてベストセラーになり、漫画・映画・テレビドラマ・舞台にもなる。ネット発の純愛ストーリーとして世間でも話題を得た。
電車男の評価は決して高くなかった。
一般的には好評だったが…。
電車男の物語が真実であるか否かについては議論が分かれている(書籍版には、「実話である」と明言されている箇所はない)。舞台となった2ちゃんねる内部では、一般的な受容と違って、電車男のストーリーは実話ではなく感動に値しないといった反応のほうが主流である。実際、物語の冒頭部分における駅員の対応や、電車男の20代の若者としてはやや不自然な言動など、真実性に疑問が残る点がいくつか指摘されており、インターネット上にはそれらを検証するサイトが複数存在する。一連の掲示板の書き込みに電車男とされる人物自身の自作自演行為が含まれているのではないかという疑いや複数の人間による工作であるという説も存在し、ミュージシャンの大槻ケンヂも作家による創作(やらせ)の可能性を示唆している。
5月17日分の投稿の掲載見送りについて
書籍は3月14日から5月16日までの投稿を収録しているが、前記のように5月17日に電車男はエルメスとの性的なシーンを2ちゃんねるに投稿しており、「下手なエロ小説以下」という批判もされていた。この箇所があるのとないのとではストーリーは全く変わってしまうが、書籍では掲載されていない。これは、電車男本人が「まとめサイトへの掲載はしないでほしい」という内容の書き込みをしたのが一因であると考えられているが、電車男を純愛物語として成立させるため、5月17日のエピソードは封印する必要があったのではないかという見方もある(高橋源一郎もそう言っていた)。
評価・批評
一般からの意見としては、2ちゃんねるのヘビーユーザーというよりもそういった文化とはふだんなじみのない層から支持されている。
自身も『電車男』を読んで大泣きしたという社会学者の北田暁大は、内輪でしか通用しない独特の用語(2ちゃん語)を駆使しアイロニカルな発言を繰り返す2ちゃんねらーが「感動もの」の物語をつくりあげたところが重要であるとし、その点から本作品は小説『世界の中心で、愛をさけぶ』や韓国ドラマ『冬のソナタ』などのヒットに代表されるゼロ年代の「純愛ブーム」の文脈で語られるべきではないと述べている。
作家の本田透は、『電車男』の物語は純愛志向のオタク青年(電車男)に対し恋愛資本主義的(恋愛関係までもが資本主義に取り込まれた状態)な女性(エルメス)が「大人のキス」「脱オタク」など強要してそのシステムを前提としたルールへの適応を強要するべくを迫る作品であると批判的に捉らえている。また、『電車男』を感動もののストーリーとして成立させているのは電車男を応援したインターネット上の無名の男性たちであるにもかかわらず彼らに印税が入らないことも批判している。
ライターの白河桃子は、エルメスのことを(酒井順子がいうところの)負け犬だとし、オタクと負け犬という一見すれば接点のない両者は実は相性のよい存在ではないかと論じた。
評論家の鈴木淳史は、『電車男』を田中康夫が1980年に発表した小説『なんとなく、クリスタル』と比較している。両者とも記号的な固有名詞をちりばめた表現が特徴になっているが、純愛物語として受容されている『電車男』に対して『なんとなく、クリスタル』では主人公の女性が比較的(性的に)奔放な生活を送っているさまが描写されており、また『なんとなく、クリスタル』(1980年代)の感性では読者が作品中での上流階級の生活を見上げる目線で感覚を共有していたのに対し、『電車男』では読者がやや「上から目線」で(童貞・オタクの恋愛弱者である)電車男を見守るという形で一体感を得られるようになっていることを指摘している。
批評家の東浩紀は、メディアを送信者と受信者の間に非対称性の存在する「コンテンツ志向性メディア(本・CDなど)」と非対称性の存在しない(つまり双方向な)「コミュニケーション志向性メディア(ゲーム・インターネットなど)」に分けるという考え方を示しているが、その上で後者のメディアが副産物として前者のメディアを生成することがあるとし、その一例として本作を挙げている。つまり、インターネット(2ちゃんねる)というコミュニケーション志向性メディア上で行われた無数の匿名の利用者のやりとりが、『電車男』の物語というコンテンツ志向性メディアを生み出したと考えられる。
作家の中沢健は、電車男が女性と付き合うためにアニメグッズを捨ててしまう描写などに疑問を感じたそうで、女の子も好きだけどアニメも好きっていう葛藤があるべきではないかと語っている。
社会学者の富田英典は、現実世界での恋愛とメディア空間での匿名のアドバイスという2つが重ね合わせられていることに注目し、現代の若者が複合現実感の意識を持ち始めてきた証であるとしている。
よく分かる電車男の批判・問題点
Q1 「電車男」ストーリーがフィクションだという証拠はどこにあるのですか?
A1 直証はありませんが、傍証なら掃いて捨てるほどあります
(01) まだ何も始まっていないのに、のっけから「とにかくおまいら外に出てみろ」と勝利宣言
(02) 駅員の不可解な対応ぶり (参照 JRからのメール)
(03) 異常に早いティーカップ送付
(04) 22歳の男性が、携帯をかけることを「ダイヤルする」と表現するという不自然
(05) 初デートにおける時間のミステリー
(06) 20代の女性がツインテールで街中を歩くという滑稽
(07) 紅茶通の割には淹れ方が不適切
(08) 半角スレへの誤爆書き込みにより自作自演が発覚
(09) 不自然なトリップばれ (トリップを解析するには最速のパソコンでも約34万年が必要)
(10) 解析済みトリップを悪用した荒しが出没しないという不可思議 (2ちゃんねるではあり得ない話ですねw)
出典電車男@FAQ
(11) エロ実況中継を女性側が指示 (後日談)
(12) ブラめくりのミステリー (後日談)
(13) オフ会の報告が皆無
(14) 好みやアイテムが22歳という年齢には不似合いであり、どう見ても40歳代 (中の人氏は40歳)
(15) スレッドの方向を自作自演により誘導していたとみられる形跡あり
(16) まとめサイトを更新するタイミングが電車男の報告と絶妙にかぶる
(17) まとめサイトの更新自体も異様に早い
(18) まとめサイトでは不都合な部分を完全削除 (トリップの消し忘れ・名無し潜伏・くさいレス等)
(19) 電車男の存在と中の人(=久保田康)氏の個人サイトが、奇妙なことに相前後して消滅
(20) 書籍化を断らない電車男
出典電車男@FAQ
Q2 ひろゆきさんは、電車男が実在していると主張していますよ?
A2 残念ながら、ひろゆき氏の主張が真実であるという証拠はどこにありません
ひろゆきこと2ちゃんねる管理人・西村博之氏は
電車男を名乗る人物と直接面談したと証言しています
しかし、その人物が電車男本人であるという確認はしていないとも述べています
また氏は、その証言が真実であるという証拠を何ら提示していません
従って、氏の証言に全幅の信頼を置くことは出来ないのです
出典電車男@FAQ
Q3 どうして中の人さんや郡司さんは非難されているのですか?
「一杯のかけそば」(あれは事実ではなかったですけど)と同様
「持ち上げられているから叩いている」という日本人らしい図式が見え隠れしてなりません
A3 妬みや嫉みから非難されているのではありません
中の人こと久保田康氏と担当編集者の郡司裕子女史が
スレッド住人からの反対意見に一切耳を貸さず
自分達の私利私欲のために出版化を強行したので非難されているのです
また、自称・電車男はメールアドレスすら公表しいませんが
久保田氏は電車男と直接連絡する手段を保有している旨を示唆し
郡司女史に至っては電車男と会見したと吹聴しています
ご両人は、一体全体どのような方法によって電車男本人であるという確認をなさったのでしょうか?
このような不誠実な態度も非難を呼ぶ一因となっています
出典電車男@FAQ
Q4 中の人には印税は支払われないんじゃないですか?
A4 ところが支払われたとしても不思議ではないのです
書籍の内容は元のスレッドを編集したものであるため
久保田康氏は編集著作権を保持します
重版された場合、印税率は定価の10%強となるのが出版界における慣例のようです
また新潮社の場合、印税は書籍の印刷部数により算定します
ここで、100万部が印刷されたと仮定してみましょう
定価1365円×10%×印刷部数が印税となるわけですから
その総額は1億4000万円近くにもなります
久保田氏と新潮社の間で印税契約が締結されたか否かという点については公表されておらず
実際には原稿料が支払われただけなのかもしれません
しかし、もしも両者間で印税契約が成立しているのであれば
久保田氏は相当の金額を手にすることになるでしょう
出典電車男@FAQ
Q5 2chに書き込むと著作権はなくなるんじゃないですか?
A5 いいえ。著作権がなくなるわけではありません
2ちゃんねるに投稿する際、2004年の時点では次のような許諾事項が表示されていました
投稿確認
・投稿者は、投稿に関して発生する責任が全て投稿者に帰すことを承諾します。
・投稿者は、話題と無関係な広告の投稿に関して、相応の費用を支払うことを承諾します。
・投稿者は、投稿された内容について、掲示板運営者がコピー、保存、引用、転載等の利用することを許諾します。
また、掲示板運営者に対して、著作者人格権を一切行使しないことを承諾します。
・投稿者は、掲示板運営者が指定する第三者に対して、著作物の利用許諾を一切しないことを承諾します。
出典電車男@FAQ
上記文面によれば、レスした人(著作者)が掲示板運営者に対して
「コピー、保存、引用、転載等の利用すること」を単に許諾しているだけなのです
従って、著作権は飽くまで著作者のものであると言えます
また、どこをどう解釈しても無断で書籍を出版してもよいということにはならないでしょう
上記の許諾事項について、有志の方が社団法人著作権情報センターへ問い合わせたところ
新潮社が著作者に無断で書籍を出版したのは違法である、という意の指摘があったとのことです
出典電車男@FAQ
Q6 「電車男」ストーリーに感動したんだから、ネタでもホントでもいいじゃん!!
A6 。。。。。。。。。。。w
では、虚構である場合と実話である場合とに分けて考えてみましょう
~ 虚構である場合 ~
「小説」として売り出すのならともかく
「電車男」をリアルラブストーリーとして売り出すのは、詐欺にも等しい行為です
久保田氏ならびに新潮社は、道義的に許されるべきではありません
そして何よりも、電車男には自作自演疑惑があります
支援していた人々を騙していたようなお話に、あなたは感動できるのでしょうか?
~ 実話である場合 ~
まずは後日談をお読みください
恋人のプライベートをネット上に晒す行為は問題ないのでしょうか?
自分たちの性行為をネット上に書き込むことには問題ないのでしょうか?
出典電車男@FAQ