文春砲で自殺者も…日本史上最大のねつ造事件【旧石器捏造事件】 | 質問の答えを募集中です! 文春砲で自殺者も…日本史上最大のねつ造事件【旧石器捏造事件】 | 質問の答えを募集中です!

文春砲で自殺者も…日本史上最大のねつ造事件【旧石器捏造事件】

歴史 訃報・死去

「神の手」ともてはやされた考古学者が発掘した遺跡の9割がねつ造だと発覚。その影響は多岐に渡り、歴史教科書や大学入試、果ては自殺者までもを出してしまう。現在においても日本史上最大のねつ造事件とされている。

古いものから最新のものまで、国内外の事件・事故を中心に取り上げています

旧石器捏造事件は、日本各地で「~原人」ブームを巻き起こした日本の前期・中期旧石器時代の遺物や遺跡だとされていたものが、発掘調査に携わっていた考古学研究家の藤村新一自ら事前に埋設した石器を自ら掘り出して発見したとする自作自演・捏造だったと発覚した事件である。

藤村 新一(ふじむら しんいち、1950年(昭和25年)5月4日 – )は、元特定非営利活動法人「東北旧石器文化研究所」副理事長で、旧石器捏造事件を引き起こした人物として知られる。捏造発覚後、離婚し別の女性と再婚、妻の苗字を名乗っているため、藤村姓は旧姓である。宮城県出身。

藤村は1970年代半ばから各地の遺跡で捏造による「旧石器発見」を続けていたが、石器を事前に埋めている姿を2000年11月5日の毎日新聞朝刊にスクープされ、不正が発覚した。

2000年11月15日。毎日新聞の朝刊一面に、衝撃的な見出しと写真が掲載。写真は三枚つづりになっており、犯人が石器を穴に入れる⇒埋める⇒足で踏み固める、という一連の動作が実に生々しく写し出されていた。

歴史教科書・大学入試にも影響を及ぼす

これにより日本の旧石器時代研究に疑義が生じ、中学校・高等学校の歴史教科書はもとより大学入試にも影響が及んだ日本考古学界最大の不祥事となり、海外でも報じられた。火山灰層の年代にのみ頼りがちであったことなど、旧石器研究の科学的手法による検証の未熟さが露呈された事件であった。

ことの始まりは1970年代

2000年11月の発覚当時、「捏造」を行っていた藤村新一は民間研究団体「東北旧石器文化研究所」の副理事長を務めていたが、彼が捏造を開始したのは1970年代にアマチュアとして、宮城県の旧石器研究グループ「石器文化談話会」に近づいた時からだった。

藤村は「神の手」ともてはやされた

藤村は捏造発覚までの約25年間、周囲の研究者が期待するような石器を、期待されるような古い年代の土層[ローム層)から次々に掘り出して見せ、そのことによってグループにとって欠かせない人物として評価され、後に「神の手」と呼ばれるまでになった。また、そうした「考古学的大発見」を町興しや観光につなげたい地元関係者からも歓迎された。

「発見」された遺物の9割方は、彼自身の手によって表面採集されたり発掘されたものであり、他人の手によって発掘されたものは、彼があらかじめ仕込んでおいたものとされている。彼が掘り出して見せたり、埋められていた石器は、自らが事前に別の遺跡の踏査を行って集めた縄文時代の石器がほとんどであると考えられている。ただし、それらの遺跡は東北地方のどこかのはずだが、完全に追跡され、突き止められるには至っていない。捏造された「偽遺跡」は、宮城県を中心とし、一部北海道や南関東にまで及んでいる。

上高森遺跡

上高森遺跡(かみたかもりいせき)は、宮城県築館町(現・栗原市)にあり、かつて前期旧石器時代のもの(50 – 60万年前で日本最古)とされた遺跡。1999年11月、東北旧石器文化研究所などが石器の出土を発表したが、翌2000年11月には捏造が発覚した(旧石器捏造事件)。

捏造の発覚を受けて、上高森遺跡を含む多数の遺跡の指定が取り消され、宮城県内には前・中期旧石器時代とされていた遺跡は皆無となった。

多くの遺跡が認定を取り消される事態に

毎日新聞のスクープで指摘されたのは、宮城県の上高森遺跡および北海道の総進不動坂遺跡だったが、彼のかかわった全ての遺跡について再点検が行われ、彼のかかわった「石器」の多くに発掘時の「がじり」ではありえない傷や複数回にわたって鉄と擦過した痕跡である「鉄線状痕」などが認められた。また一部の遺跡について再発掘が行われ、掘り残されていた捏造石器が発見されるに及び、捏造が確定するに至った。このため、上高森遺跡をはじめ、座散乱木遺跡・馬場壇A遺跡・高森遺跡など、多くの遺跡が旧石器時代の史跡としての認定を取り消されたりした。

東北旧石器文化研究所は解散に追い込まれた

日本列島の「前・中期旧石器」研究は、そのような古い時代の石器は日本にはないだろうという批判を当初は浴びていたが、藤村の発掘成果によって強力な裏づけを得て、1980年代初頭には確立したと宣言され、捏造発覚前は日本の旧石器時代の始まりはアジアでも最も古い部類に入る70万年前までに遡っていたとされた。しかし捏造発覚により、藤村の成果をもとに築かれた日本の前・中期旧石器研究は全て瓦解し、東北旧石器文化研究所は「学説の根幹が崩れた」と解散に至っている。さらに、捏造遺跡が学会から抹消されるのみならず日本史の検定済教科書の石器に関する記述さえも消されるに及んだ。

週刊文春の記事により自殺者も

また、中国、韓国、北朝鮮といった歴史教科書問題で日本と対立している国々は、それぞれの国内マスコミで本事件を「日本人が歴史を歪曲しているのが証明された」「一研究家だけの問題ではなく、日本人の歴史認識そのものに原因がある」と大々的に報道した。また、藤村の捏造発覚の翌年の2001年、週刊文春が大分県の聖嶽洞穴についても捏造の疑いありと3度に渡って誌面で展開し、この影響で発掘責任者であった賀川光夫が文春に対し、抗議の自殺をする事態が発生した。

賀川 光夫(かがわ みつお、1923年(大正12年)1月5日 – 2001年(平成13年)3月9日)は、日本の考古学者。
週刊文春によって、旧石器時代の人骨や石器の発掘は賀川による捏造の疑惑があると報じられた。これに対し、賀川は死をもって報道に抗議するとの遺書を残し、2001年3月9日に首吊り自殺している。その後、遺族によって文藝春秋に損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟が起こされ、2004年7月15日に名誉毀損を認めた最高裁判決が確定した。

バッシングは家族にも及び、妻とも離婚

事件後、藤村は瑞巌寺の修行専門道場に11月末まで数週間滞在。その後は福島県下の精神病院にしばらく入院していた。病状を理由に入院先の詳細は公開されなかった。またこれまで戸沢充則(明治大学名誉教授、日本考古学協会特別委員〈当時〉)が面会して捏造事件を引き起こした理由その他について告白を得た他は、病状悪化を理由に面会謝絶の状態が続いていた。2001年(平成13年)2月には妻と離婚。家族は事件を原因として激しい嫌がらせを受けていたという。

解離性同一性障害を発症し、自ら指を切断

藤村の弁によれば、功名心から捏造を始めたものの、「神の手」などともてはやされるようになり、プレッシャーから捏造を続けてしまった、とのことである。さらに当初は、捏造は一部と思われていたが、捏造の範囲が相当に広いことが判明し、世論は厳しさを増した。解離性同一性障害を発症し、障害者認定を受ける。一方、2003年に入院先で知り合った女性と再婚している。また、右人差し指・中指を自ら切断した。

現在は再婚した妻と年金暮らしを送っている

後に福島県の障害者就労支援のNPOで勤務した。そして、遺跡等の捏造に関する記憶は精神疾患により残っていないと述べている。2010年(平成22年)11月、妻の精神的治療に専念するという理由で上記NPOを退職する。東日本大震災の際は一時期避難生活を余儀なくされた。2019年の時点では南相馬市で年金暮らしをしている。

ねつ造発覚から20年経った現在でも人々の記憶に深く残っている。

【旧石器捏造事件】 別名、ゴッドハンド事件。自分で埋めた土器を自分で掘って「新しい土器見つけたぞ!」とかいう日本歴史研究最大の汚点。韓国、中国に総叩きされるけどさすがに言い訳できない。これにより日本の歴史研究の信用は地に落ちた。 、、、詳しくはゴッドハンド 考古学 で検索。

藤村新一による旧石器捏造事件。 捏造を繰り返してしまう人間の心理は如何程のものだろうか。

2001年文春砲で旧石器遺跡ねつ造報道をされ、抗議の自殺をした別府大学名誉教授。検証で疑惑は雪がれ、遺族による名誉毀損裁判で文春敗訴。文春はおわびをだす。 旧石器遺跡神の手事件のまきぞえで命を絶った研究者がいたとは知らなかった。 大分県聖嶽遺跡問題 archaeology.jp/about/paleolit…

前期旧石器ねつ造事件を思い出す。 東北旧石器文化研究所が関わった遺跡だけでなく 考古学会全体を揺るがす事態になった。 その過程で、様々な問題が発覚し、ねつ造と直接関係ない研究者が文春の報道に抗議し自殺する事件も起こった。 そういった悲劇が、アイドル業界では起こらないことを願いたい…

むかし古代史で、自説を証明する木簡を埋めたら良いという冗談があったが、旧石器捏造で冗談じゃなくなった。

旧石器ねつ造事件というのは、日本の前期旧石器とされていたものの全てが捏造だった事件。つまり日本における前期旧石器研究という学問分野自体が捏造だった。これほどの大事件だったのに、研究者は誰も責任を取らず、アマチュア(藤村新一)一人の仕業ということにしてしまった。

返信 リツイート いいね

遺跡ねつ造事件の犯人に協力した文化庁の官僚の岡村道雄を立花隆が事件を加熱させた元凶としているがこの辺も私は当たりだと思う。 inoues.net/study/saitama_…

岡村道雄

岡村 道雄(おかむら みちお、1948年1月1日 – )は日本の考古学者。旧石器捏造事件で指摘された藤村新一との深い関係を指摘されている。
前期旧石器発掘の発端となった座散乱木遺跡などの発掘主導者。1970年代より藤村新一と行動を共にした考古学者で、文化庁に転出した1987年代以降も前期旧石器発掘について自著や文化庁主催の展覧会などで取り上げ、中央官僚として当該遺跡の教科書掲載を果たすなど前期旧石器を社会に認知させる推進役となった。

旧石器ねつ造事件は、2000年に毎日がスクープして発覚した一大スキャンダル。STAP細胞は途中で気づかれたが、この旧石器ねつ造は幼稚な手法にも関わらず25年間も信じられ教科書にまで掲載される「定説」とまでなってしまった。最大の問題はこれに対する異議が学会で封殺されてしまったこと

旧石器ねつ造事件「そういう人間を利用し、暗黙のうちに捏造をそそのかした取り巻きや従来の旧石器考古学界こそ、この問題を引き起こした悪の主役」

@koiuds 旧石器捏造を検証した本によれば、多くの考古学者は、旧石器捏造の責任を、実際に捏造した在野の考古学者に押し付け、自分達が旧石器を批判しにくい雰囲気をつくったことに、反省する気があまりなかった。 考古学者たちの社会が、閉鎖的であり、納税者である国民を、愚弄しているような気がしました。

@SaitohHiroto @Sugiu5 @heiwawomamoru @hayakawa2600 政府は古代史迄歪めているからね。 例の旧石器捏造も本当の主犯は政府だ。あれほど多くの旧石器を個人で捏造できるはずもない。 主犯を隠蔽するために早々に幕引きした。 主犯とされたFは宮城県の調査に「○○と一緒にやった」と答えている。それに「▲遺跡は自分が関係していないから本物ではないかと

平成12年日本史を歪めた「旧石器捏造」ゴッドハンド事件。「人生そのものがねつ造の上に乗っかった人生」との評価は、捏造によって日本史の教科書の内容まで変えた悪質なものだった。今も多い?「作られた経歴による著名人や専門家」はいないか?周りをよく見るべきだ。

事件をベースにしたドラマ

『地の塩』(ちのしお)は、WOWOWの連続ドラマWで2014年2月16日から3月9日まで放送された日本のテレビドラマ。
この作品は2000年頃に起きた旧石器捏造事件をベースにドラマ仕立てにした映像作品。

公式ページ
https://www.wowow.co.jp/detail/104621

関連動画

シリーズ「現場から、平成の記憶」。今回は、平成12年に宮城県で発覚した「旧石器発掘ねつ造」。この「ねつ造」に翻弄された考古学者の男性がいます。発覚から18年あまり、男性は今、何を思うのか?

【現場から、】平成の記憶、旧石器発掘ねつ造~今何を思う~

関連書籍

発掘捏造



 ⬇人気の記事!⬇

タイトルとURLをコピーしました