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【ガチ泣き漫画】からくりサーカス【藤田和日郎】

からくりサーカス

ネタバレ注意! からくりサーカス、ゴールデン・デイズ、赤ちゃんと僕、ダイの大冒険。

からくりサーカス

どちらかといえば荒々しいタッチや表現で、絵柄がそんなに得意じゃないという人もいるかもしれないが、読むと気づけば引き込まれている。

(注意!ネタバレ有り)
180億円の遺産を相続することになった小学5年生11歳の才賀勝。
人を笑わせないと生きていけない『ゾナハ病』という病気の19歳の加藤鳴海。
マリオネット『あるるかん』を操り、勝を守る為に戦う19歳の美女・才賀エレオノール(通称しろがね)。
この3人の激動の人生の物語。

藤田和日郎による日本の漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて1997年32号から2006年26号にかけて連載された。単行本は全43巻。

200年にもわたる壮大な物語のからくりサーカス。
でもこれ、実は『うしおととら』を描いた藤田和日郎先生が、伏線という伏線を頑張って回収して回収して、回収して回収した結果の大作なのである。
これほど伏線を回収した漫画はあるだろうか?
物凄いガッツである。

自動人形(オートマータ)

白 金(バイ ジン)が病気の愛する女性・フランシーヌの為に作った『柔らかい石』。しかし、彼女は死んでしまい、『柔らかい石』で、意思を持つ生きた人形・フランシーヌを作った。
しかし、人形であるフランシーヌは笑わず、白金はフランシーヌを笑わせる為の自動人形を4体作り、フランシーヌが死んだ復讐と人形フランシーヌを笑わせる為、村人を惨殺する。
それでも笑わない人形フランシーヌに絶望し、白金は人形フランシーヌを捨てた。
捨てられたフランシーヌ人形は笑うことを望み、笑うことを学ぼうとし、仲間(自動人形)を増やし、笑いを研究する。
それが真夜中のサーカスというゾナハ病を振りまく生きた人形のサーカス団となる。
それはたった一人の人形・フランシーヌを笑わせる為だけに存在するのだ。
自動人形たちは観客を笑わせる役者である為、人間の見える速度で動かなければならない、などのルールがある。

しろがね

『自動人形(オートマータ)』を壊すことだけを目的に生きる者たち。
白金が襲った村人の生き残りに、白 銀(バイ イン)が井戸に『柔らかい石』を投げ入れ、『生命の水(アクア・ウイタエ)』を作り、それを飲ませ助けたのが始まり。
命の水を飲むと髪が白銀色になり、5年に1歳しか年を取らず、自分の生に満足するか、体内の生命の水が溶けた血を大量に失うことでしか死なない。
白銀が自ら生命の水に溶け、自動人形を破壊する強い想いと記憶を生命の水に保存した為、その後『しろがね』となった者は戦闘操り人形(懸糸傀儡)などを使い、自動人形を破壊するということだけが目標となる。

色濃いキャラクターたち

才賀 勝(さいが まさる)
莫大な遺産を相続したことから腹違いの兄弟から遺産目当てに命を狙われることになる。
臆病で泣き虫な性格だったが、鳴海やしろがねに守られるうちに覚悟を決め、逃げることを止め立ち向かうようになる(決意した時、なんと高い塔から手を縛られたまま飛び降りるという奇行にも近いことをやってのける)。後に人形操りをマスターし、戦える力を身につける。
物語が進むにつれ、勝の衝撃の事実が明るみになる。
才賀貞義の野望「永遠の命」の計画のために用意されたスペアの肉体、という事実である。
勝は永遠の命を巡って死闘を繰り広げ、200年の因縁を断ち切る。
白金の記憶を持つ。

加藤 鳴海(かとう なるみ)
中国武術(形意拳)の使い手。人を笑わせないと生きていけないゾナハ病にかかっている。
誘拐された勝をしろがね(エレオノール)と共に助けたが、爆発に巻き込まれ、左腕を遺して死ぬ(実際は生きていて、記憶喪失になっていた)。
『しろがね』のギイに命を救われ、不死の霊薬・生命の水を飲み『しろがね』になる。
鳴海は白銀の記憶を深く知り、人形フランシーヌを強く憎む。
そして惚れたしろがね(エレオノール)がフランシーヌ人形の成り代わりではないかと殺そうとするが、最終的には勝のおかげでしろがねに想いを告げる。
白銀の記憶を持つ。

才賀 エレオノール(さいが エレオノール)通称:しろがね
懸糸傀儡『あるるかん』を駆使して戦い、勝を守る美女。
実は才賀正二と才賀アンジェリーナの一人娘。
赤ん坊の頃、フランシーヌ人形とフランシーヌ(オリジナル)の髪が溶けた生命の水を飲んだことによって、両者の記憶の一部を持っている。
想いを寄せる鳴海と死に別れたと思ったら、再会し、しかし憎まれていることに動揺するも、精一杯鳴海に誠意を見せる。
人形を操る人形と育てられていた為、笑うことが出来ずにいたが、鳴海の告白に初めて幸せな笑みを浮かべることが出来た。
フランシーヌの血族。

フランシーヌ
全ての始まり、きっかけとなった、白銀と白金が愛した女性。
聖女のように慈愛に溢れた優しい性格で、屈託ない笑みを見せる。
彼女の存在と彼女の死が200年にも及ぶ因縁を生み出してしまった。
姪・ルシールは後に最古のしろがねとなる。
ルシールの娘・アンジェリーナはエレオノールの母親。

フランシーヌ人形
白金が作り上げた、生命の水によって作られた唯一の人形。ゾナハ蟲(アポリオン)を止める方法を知る唯一の人形でもある。
笑う方法を探し疲れ、アンジェリーナたちに壊してくれと頼むが、弱体化に止められ、成り行きで一緒に暮らし、アンジェリーナの出産に立ち合うことになる。
人間があまりにゆっくりと成長することを知り、フランシーヌ人形は驚き、命の尊さを学ぶ。
自動人形に襲われ、エレオノールと共に井戸に落ちたフランシーヌ人形。
水に溶けた柔らかい石のせいで井戸の水が生命の水に変わり、全てを溶かそうとしたので、フランシーヌ人形はエレオノールを高く持ち上げ守ろうとする。
その時、泣くエレオノールを慰める為に、フランシーヌ人形は初めて笑って見せた。
最初で最後の、聖母のような優しい微笑みであった。

最古の四人(レ・キャトル・ピオネール)
フランシーヌ人形を笑わせるために作られた4体の自動人形。擬似体液を与えられて自らの意思を持つことができるようになった4人・パンタローネ、アルレッキーノ、コロンビーヌ、ドットーレ。
フランシーヌ人形を笑わせたい為だけに残虐非道を尽くしてきた。
しかしパンタローネ、アルレッキーノ、コロンビーヌは終盤味方に近い行動を取る為、かなり熱い展開に一役買う。

鳥肌・涙の忘れられないシーン

個人的に好きなのが最古の四人の最期である。
パンタローネはフランシーヌ人形そっくりのエレオノールに「人間を傷つけるな」と命令され、現地で阿紫花と交戦し、彼や法安との対話を経て考え方を改める。
そして法安(勝のいるサーカスの仲間)に仲町サーカスでパントマイムや歌を演じる約束をして『最後の四人』と戦いに向かう。
ハーレクインとの戦闘には負けるが鳴海の勝利に繋がる布石を残した。
最期はアルレッキーノに頭部を回収され、エレオノールの元に駆けつけた。
そこで鳴海の告白を受け、幸せな笑みを浮かべたエレオノールを見て、満足そうな笑みを残してパンタローネは停止するのだ。

アルレッキーノの最期はパンタローネとほぼ同時。
パンタローネと共に『最後の四人』との戦いに赴いて、ブリゲッラのミサイル攻撃で半身を粉砕され、敗北した。その後、半壊状態ながらもパンタローネの頭部を回収し、エレオノールの笑みを見る。
「なァ、パンタローネ……。お美しいな……フランシーヌ様は……。なァ、パンタローネ……見ているか……?」
満足な笑みで停止したパンタローネを見て、アルレッキーノもまた満足する。
「なんだ……見ている……じゃない……か……」
こうしてアルレッキーノも、パンタローネの頭部を抱いたまま、静かに停止するのだ。

恋を知りたがったコロンビーヌの最期。
蟲使いの能力でディアマンティーナを追い詰めるが、シャトルから飛び降りる勝とエレオノールを助けるためにアポリオンの力を向けたため敗北した。
勝の腕の中に抱かれ、念願が叶ったと歓喜して笑顔を浮かべる。
「うれしいな……。うふふ、やっと男の人に、抱き締めてもらっちゃったァ」
人のあたたかさ、手のぬくもりの優しさを知って停止したコロンビーヌだった。

鳴海の告白シーン。
神よ、これが奇跡なのですね。天使は死にかけながらも赤子を守った……。もう一人の悪魔に助けられて。神よ、感謝します……。病の苦しみすら薄らぐ、今、ここに立ち合う喜びを……。神よ、これ以上の奇跡はありますまい。悪魔が愛にひれ伏し、天使が……。
神父様の心の語りがとても印象的である。

最後はカーテンコールで、今まで出てきたキャラクターたちが笑顔で現れる。
それこそ敵も味方も全員が舞台を終え、観客(読者)に笑顔を向けるのである。
その時に湧き上がる感動と言ったら、まさに鳥肌もの。
思わずキャラクターたちにありがとうと言いたくなるラストだ。

ゴールデン・デイズ

隠れた名作。もっと評価されるべき。

過保護過ぎる母親に縛られ自由を感じられない日々を送る相馬光也。
ある一つの過去を悔やみ続ける祖父、相馬慶光。
慶光に好意を抱く慶光の友人、春日仁。
もしも過去に戻ってやり直せるなら……。
時を超え過去へと飛ばされたのは孫の光也だった。祖父が望むやり直したい過去とは?
真実が明るみになり、やってくるその時、光也は……。

「花とゆめ」(白泉社)にて2005年10号から2008年1号まで連載されていた。全47話。単行本は全8巻。

赤ちゃんと僕

これは惚れる。
母を亡くした主人公・榎木拓也が幼い弟・実の世話をしながら奮闘する物語。
聞き分けのいい拓也のたまに見せる素直な寂しさにキュンときたり、可愛く生意気に成長する実にキュンときたり、キュンとくる、うん。
父・春美の真っ直ぐな父親っぷりも見ていて愛しくなる。
これは語るよりもやはり読んで欲しい作品。
ほのぼのした話から少しシリアスな話まで、彼らの成長を見守りながら読みすすめていくと、間違いなくあなたは泣く。99%泣く。

1991年11号から1997年14号まで花とゆめ(白泉社)に連載。単行本は全18巻、文庫版は全10巻。

ダイの大冒険

モンスターが平和に暮らす怪物の島「デルムリン島」で、唯一モンスターでない存在の勇者に憧れる少年ダイが成長し、勇者となっていく物語。
最初は最悪な敵だった魔王ハドラー。しかし、次第に堂々と戦うことにこだわり、真っ直ぐにダイを倒そうとする魔王ハドラーには後半でだいぶ泣かされることになる。
仲間一人一人にも熱いストーリーがあり、読めば読むほど奥深くなる。

1989年から1996年までの間の7年間に渡り、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』として『週刊少年ジャンプ』にて連載された(全344話)。単行本は全37巻。



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