このカテで次のような回答を見たのですが本当でしょうか。「藤井聡太は将棋を知らないにわかからは最強

昨日と本日で、王将戦第３局が行われ、藤井挑戦者の勝ち。
王将戦七番勝負はこれで、藤井挑戦者の３勝0敗となりました。

間違いなく、藤井さんは最強格。というより、多分現在最強です。

こんばんは。
＞本当でしょうか。「藤井聡太は……最強だと勘違いされているが、…そこまでではない」。

本当ではありません。

プロ将棋界では、年に延べ８人、チャンピオンが誕生します。このチャンピオンを「タイトル保持者」といい、それぞれが「名人」「竜王」などの称号を得ます。大きな大会が年に８回あって、それぞれの大会でチャンピオンを決めている、と思ってください。
タイトル保持者になる（タイトルを取る）のは、プロ棋士にとって最高の栄誉です。また、なると、多くて数千万円の賞金をもらえます。
タイトルを持っていられるのは１年間です。１年たつと、他のプロ棋士の中から、予選を勝ち抜いた棋士が１人、挑戦者として名乗りを上げてきます。するとタイトル保持者と挑戦者は、五番勝負や七番勝負を戦います。勝ち越した方が次期のタイトル保持者になります。
タイトル獲得は全プロ棋士の願いですが、大半の棋士は一生に一度もタイトルを取れません。なお、タイトル保持者が年間で「延べ」８人と書いたのは、同じ人が複数のタイトルを取れるからです。

さて、八つあるタイトルのうち、竜王などの四つを１人で持っている人がいます。
それが藤井聡太さんです。タイトル四つなので「藤井四冠」と呼ばれます。
もう一人強い人がいて、１人で名人など三つのタイトルを持っています。
渡辺明さんという人で「渡辺三冠」と呼ばれます。
そして今、藤井四冠は、渡辺三冠が持つタイトル「王将」を奪おうと、戦っている途中です。つまり、予選を勝ち抜いて挑戦者になったのです。
王将戦は七番勝負で、先に４勝したほうの勝ち。
勝負は第２局まで終わっていて、現在、藤井挑戦者の２連勝です。
まとめると
・藤井さんは、８タイトルのうち４タイトルを持っている。つまり、全プロ棋士の中で、持っているタイトルの数がいちばん多い棋士である。
・藤井さんは現在、五つ目のタイトルに挑戦中で、獲得できる見込みは十分ある。そうなると「藤井五冠」と「渡辺二冠」となって、藤井さんのタイトル独占が進む。

これが現在のプロ将棋界の状況です。
だれから見ても、藤井さんが今、いちばん勝ちまくっている棋士で、
将棋界最強であることは疑問の余地がありません。
タイトル三つを持つ渡辺名人でもなかなか勝てないのですから
「指す人からみればそれほどでも」なんてこともありません。

なお、藤井四冠の指し手に対し「どうみてもおかしい」「アマチュアでも知っていることを知らないのか」などと、言いがかりをつける書き込みが、この掲示板で目立ちます。
将棋にも将棋界にも詳しくないかたは「そういうものか」と思ってしまうかもしれません。
しかし、いずれも噴飯物で、馬鹿馬鹿しくて相手にする気になれない内容です。どうか皆様、まどわされませんように。