「動物のお医者さん」という漫画をご存じだろうか?
いや、知らなければそれでいい。
H大学獣医学部で繰り広げられる人間模様というか、軽いタッチのコメディ漫画である。アマゾンのカスタマーおすすめ度は5.0/5.0
話は違うが、ソコに出てくる「菱沼さん」という大学院生に似ていると、大学院時代に後輩♂2名ほどから言われたコトがあった。が、正直見た目は全く似ていない。似ているのは立場だけ。
だがなぜか不思議とモテた時期でもあった(遠い目)。
話を戻そう。その漫画で、「オートクレーブ(高温蒸気圧式滅菌釜)でサツマイモをふかすと大変美味しい。」という記述があった。大学、前職と、「やってみたいな~。いやいや、いかんいかん。」と、良くない気持ちを抑えてきた。
そして月日は流れ……
今年の秋、研究所の取引先から大量のサツマイモが届けられた。
スタッフが食べたいと言い出す。私は「オートクレーブ」の話を思い出した。
オートクレーブで蒸かせる話をすると、スタッフ全員が「試してみよう。」と言い始めた。
だが悩む。うーん。
釜の内部はスタッフが増えてから頻繁に掃除しているし、いつも入れるモノは決まっているし(危険はない)、使用後すぐドレインと掃除を徹底すれば問題はなさそうかな? 使用前はというと、既にスタッフの一人がオートクレーブの掃除を始めている……。
というわけで、実際に蒸かしてみるコトにした。試料をアルミフォイルで包み、1.5気圧120℃15分の条件下で高温高圧滅菌を行っ……いや、ふかしイモを調製した。さてどれくらい美味しいのか? (わくわく)
はふっ、もぐもぐ……。
( ̄□ ̄ ?
ま、まずいでちゅ。
旨みが抜けちゃった感じである。芯まで蒸かしすぎ、というか、パサパサ感があって、芋が白っぽくなっている。焼き芋の方が断然ウマい。
結論:オートクレーブでサツマイモを蒸かすと、食べられるがあまり美味しくはない。
(ああ、またひとつお利口になってしまった。)
※追記
後日追試を行ったところ、異なる結果が得られた。
詳細は以下に記載した。
結論:オートクレーブでサツマイモを蒸かすと、食べられるがあまり美味しくはない。
などと太字で書いてしまった。
これは誤りである。ごめんなさい。
やはり1回の実験で結論を導いてはいけない。
先日、またイモをもらった。サツマイモである。
過去の実験(?)の事などすっかり忘れてしまっていたスタッフに、
「オートクレーブでふかすと食べられるんだけどね……。」
とポロッと言ってしまったところ、なんとパートさん♂(実はスゴイ人)が培地の入ったカゴに紛れ込ませて、ふかしてしまったのだ。
それがなんと、
「おーいしいー!」
もうね、見た目からおいしそう。
黄金色で半透明、ねっとりとしたその身はまさに焼き芋のアレ。
ふかしても黄金色に出来るんだね。
それにしてもなんで過去のイモは不味かったのか?
「培地と一緒にふかすことで急激な温度上昇が抑制され……。」
などと色々妄想したが、検証の結果、
そもそも元のイモが相当まずかったらしい事が判明した。
どんなふかし方をしても美味しかったのである。
イモは安納芋でも金時でも美味しかった。
アルミホイルにくるんでも、アルミホイル&ぬれ新聞紙でも、実は何かでくるまなくても、美味しかったのである。
(ああ、またひとつお利口になってしまった。)
よいこのみんなは じっけんきぐで あそばないでね!
(説得力なし)