芥川龍之介の蜘蛛の糸は海外や日本の作家のパクリだという噂や定説があります。
元ネタは?
芥川龍之介の作品【蜘蛛の糸】は、ポールケーラスが書いた❝The SpiderWeb❞と話の筋が似ているそうで、
また、 ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟の第7編の第三にでてくる【一本の葱】という話にもそっくりです。しかし、問題視されず芥川龍之介の代表作とされています。
ネットでは「盗作とどこが違うの?」と言う人もいます。
他にも似てる作品も
蜘蛛の糸は他にも聖書や鈴木大拙の著作にも似ていると言われます。
本人は、蜘蛛の糸限定ではないですが、亡くなる少し前に書かれた闇中問答に剽窃もあったと書いています。研究が進むにつれてこのような事実が出てきます。又その海外作品が翻訳されてない物だと一般の人はなかなか知る事は無いです。
芥川龍之介はいつも原書で読んでいました。発表当時や又最近まで 知られず代表作となった可能性はあります。ただ同時に芥川龍之介の作品を土台にした名作もあります。遠藤周作の沈黙は芥川龍之介の神々の微笑みに似ています。
パクリ疑惑の真相は!?
アメリカでオープンコートという哲学・宗教・科学の雑誌や出版物をだしている会社の主筆に、ポール・ケイラスという思想家・文筆家がいました。
この人が『カルマ』という疑似インド物語を英語でかきました。
この書はトルストイにもおおきな影響を与え、同じ年にトルストイはそれをロシア語訳したほどです。この中の一部に蜘蛛の糸に相当する教訓話が語られています。
日本語訳は若き日の鈴木大拙がいたしました。芥川は横須賀の古本屋でその本をみて、それをもとに「蜘蛛の糸」を執筆しました。
『カラマーゾフの兄弟』にも一本の葱の寓話が差し込まれていますが、ドストエフスキーは農民から聞いた民話だといっています。高年ポール・ケイラス自身も雑誌に、ドストエフスキーも同じ寓話を利用したことを書いています。
このロシアの民話を、ケイラスも運営を手伝ったシカゴ世界宗教者会議で、ボルコンスキーが講演で紹介しました。
この小話は、ヨーロッパ昔話のタイプ目録を検索すると、あちこちで語られていたことがわかります。世界の各地で好まれて語られていたものです。『ニルスのふしぎな旅』で有名な、レーゲリョーヴも『キリスト教伝説集』の中の一話にとりいれています。
こうした世界的な視野をもってこの物語を眺めると、芥川の業績も、こうした世界各地の営みに呼応したひとつであることがわかります。だからばれるとかばれないとかの問題ではありません。