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映画を正しく理解し、楽しむ方法

映画

映画を観たけど、「内容を理解できなかった」、「意味が分からなかった」、「楽しめなかった」などということ、ありますよね?こんな悔しい状況を避けるため、映画初心者の方々に、映画を正しく理解し、正しく楽しむ方法をお教えします。

初級編

最後まで観よう!

これは当然ですよね。でも、この当然を実行しない人もいます。これでは理解できなくて当たり前。「途中で面白くなくなったから」  なんて理由もあるでしょうが、最後が超面白いかもしれないですよ?最後でオチをつける、という作風の映画は多いです。ということは、それ以前は全て前フリなんてことも。

また、エンドロールの終了後にも物語が続いている場合もあります。それを観ていないために正しい理解ができていないことも。エンドロールの後も含めて「作品」です。

2回以上観よう!

そもそも、1回観ただけでは完全な理解などできない映画が存在します。情報量が多い作品は特に。そういう作品は2回以上観ることをおすすめします。ビデオソフトをレンタルした場合は気軽に複数回観られるでしょう。

 中級編

先入観と期待は邪魔!

観賞前に、予告編や作品のタイトルなどから「こういう作品に違いない」と先入観を持つのはダメです。先入観により思考が捻じ曲げられ、正しい判断ができない可能性があるからです。 さらに、その先入観は期待を生みます。「こういう作品であって欲しい」という期待です。そこで、もし期待と違う作品だった場合、裏切られたと感じ、それが負の感情ばかりを生み、結果的に作品を楽しめないことに繋がるのです。期待どおりの作品ではなくても、傑作かもしれませんよ?

これはつまり、自分の好みではない作品=駄作」・・・ではないということです。好き嫌いでは正しい理解はできず、正しく楽しむこともできません。

上級編

 物語とテーマは別かもしれない!

作品中で描かれる物語と、監督が主張したいテーマは別な可能性があります。例えば、ヒーローが活躍するアクションで物語が進行しても、伝えたいテーマは「人間の心の光と闇」だったり。多くの場合、物語は比較的理解し易い場合が多いです。しかし、テーマを理解できない、また、そもそもその存在に気がつかない、という場合があります。

もちろん、物語とテーマが同じ場合もあります。例えば、美系の男女の恋愛で物語が進行し、テーマは「美系の男女の恋愛を観てもらうこと」、なんて場合もあるでしょう。

映画が作られた目的と、監督の演出の目的を読み取ろう!

(上記の項目と重複する点がありますが)その作品がどのような目的で作られているかを考えましょう。例えば、映画館の大画面で美しい海の景色を疑似体験してもらうことが作られた目的だとします。それを観た観客がその作品に否定的な感想を持つこともあるでしょう。例えば、「ただ海の風景を観せられるだけの、意味不明な作品だった。これは面白くない」などという感想。しかし、この観客は間違いなく美しい海の景色を観て、いわば疑似体験しました。この時点で、映画が作られた目的は達成されているのです。

この目的を達成するために、監督は演出という手段を用います。上記の例に当てはめれば、奇麗な音楽に乗せて美しい海を臨場感たっぷりに撮影する、というような。つまり、監督の演出という手段から、どのような目的のために作品が作られているかを推理することが可能なのです。

(テーマを主張するために演出という手段を用いる、と言うこともできますね )

つまり、監督やプロデューサーの立場に立って作品を観れば、より正しい理解が可能なのです。

例えば・・・

映画のラストシーンがその作品を総括している場合は多い。例えば、悲劇の人間ドラマのラストシーンが、無表情な主人公をアップで撮影したカットだったとします。さて、この最後のカットの演出目的は何でしょう?「主人公を演じる俳優の顔を観せたい」のか、「悲劇の体験の最後に主人公が何を考えているのかを表したい」のか。人間ドラマですから、俳優の顔を観せたいだけ、という可能性は低いでしょう。そうなれば、後者が演出目的です。

さて、物語が悲劇だったのですから、例え無表情でも、主人公の想いを推理することができます。まさか「幸せだな」とは思わないでしょう。「悲しい、苦しい、後悔してる」などですね。

ここまで来れば、この作品の物語テーマ作られた目的は明確です。つまり、物語は「悲劇の人間ドラマ」、さらに「劇中での出来事に悲しみや後悔の念を持つ主人公」であり、テーマは「悲劇を体験した主人公の心情を描く」ことであり、作られた目的は「悲しい想いの主人公を観て同情してもらい、悲劇を観たいという観客の欲求を満足させる」ということです。

このような方法で作品を読み解いた結果、物語は二の次で、単純なテーマや目的が最優先、なんて映画が存在することも判明します。例えば「女優を美しく見せる」とか「カッコイイ車を観てもらう」などというテーマや目的です。

こういう作品は、理解はできても楽しめない可能性があります。だって、そもそも車に興味が無ければ楽しめないですから。つまり、そういう作品は、「自分の趣味に合わない映画」です。

しかし、「趣味に合わない=駄作」ではありません。車に興味の無い人は楽しめなくても、もしかしたら、その作品は「車をカッコ良く観せることに関しては、歴史上もっとも素晴らしい作品」かもしれないのですから。

最後に・・・

このような読み解き方を覚えれば、「このセリフは重要だぞ!」とか「このシーンはラストへの前フリだな!」とか「この人物がテーマを体現しているんだな!」などを理解しながら観ることができるようになるでしょう。

 

映画の観賞方法は人それぞれです。どのような感想を持つかも個人の自由です。しかし、映画をより正しく理解し、より正しく楽しむには、それなりのコツが必要なのだと思います。

映画をより正しく理解するには、観るだけではダメです。読み解く必要があるのです。

ちなみに、この方法は映画だけに限らず、テレビドラマやアニメはもちろん、漫画や、場合によっては小説などにも応用が可能です。



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