■TV版・第弐拾四話「最後のシ者」
※ビデオフォーマット版
「歌はいいね」
「歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ」
「そう感じないか?碇シンジ君」
「知らないモノはいないさ。失礼だが君は自分の立場をもう少し知った方がいいと思うよ」
「僕はカヲル、渚カヲル。君と同じ仕組まれた子供フィフスチルドレンさ」
「カヲルでいいよ碇君」
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「君がファーストチルドレンだね」
「綾波レイ」
「君は僕と同じだね」
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「やあ僕を待っててくれたのかい?」
「今日は?」
「帰る家、ホームがあるという事実は幸せに繋がる。よいことだよ」
「僕は君ともっと話がしたいな。一緒に行ってもいいかかい?」
「シャワーだよ。これからなんだろ?」
「ダメなのかい?」
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「一次的接触を極端に避けるね。君は。恐いのかい?人と触れあうのが。他人を知らなければ裏切られることも、互いに傷付くこともない。でも寂しさを永久になくすことはできない。人は一人だからね。ただ忘れることができるから人は生きていけるのさ」
「もう終わりなのかい?」
「君と?」
「そう、常に人間は心に痛みを感じている」
「心が痛がりだから生きるのも辛いと感じる」
「ガラスのように繊細だね。特に君の心は」
「そう、好意に値するよ」
「好きってことさ」
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「やはり僕が下で寝るよ」
「君は何を話したいんだい?」
「僕に聞いて欲しい事があるんだろ?」
「人間が嫌いなのかい?」
「僕は君に会うために生まれて来たのかも知れない」
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「ヒトは無から何も造れない」
「ヒトは何かにすがらなければ何もできない」
「ヒトは神ではありませんからね」
「希望?」
「アレがリリンの希望ですか」
「シンジ君の父親」
「彼も僕と同じか」
「わかっていますよ。その為に僕は今ここにいるわけですから」
「すべてはリリンの流れのままに」
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「さあ、行くよ。おいで、アダムの分身、そしてリリンのしもべ」
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「遅いな、シンジ君」
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「待っていたよシンジ君」
「エヴァシリーズ。アダムより生まれし人間にとって忌むべき存在。それを利用してまで生き延びようとするリリン。僕には分からないよ」
「エヴァは僕と同じ体でできている。僕もアダムより生まれしものだからね。魂さえ無ければ同化できるさ。この弐号機の魂は今、自ら閉じ籠っているから」
「そう君達リリンはそう呼んでるね」
「何人にも犯されざる聖なる領域。心の光」
「リリンもわかっているんだろう。ATフィールドは誰もが持っている心の壁だということを」
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「人の運命(さだめ)か。人の希望は悲しみに綴られているね」
「アダム。我等の母たる存在。アダムに生まれしものはアダムに還られねばならないのか?人を滅ぼしてまで」
「違う。これはリリス」
「そうか、そういうことか。リリン」
「ありがとうシンジ君」
「弐号機は君に止めておいて貰いたかったんだ。そうしなければ彼女と生き続けたかも知れないからね」
「僕が生き続けることが僕の運命だからだよ。結果、人が滅びてもね」
「だがこのまま死ぬこともできる。生と死は等価値なんだ。僕にとってはね。自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだよ」
「遺言だよ」
「さあ僕を消してくれ。そうしなければ君らが消えることになる。滅びの時を免れ未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ」
「そして君は死すべき存在ではない」
「君達には未来が必要だ」
「ありがとう。君に会えて嬉しかったよ」
■劇場版「Air/まごころを、君に」
「もう、いいのかい?」
「ただ逃げているだけなんだ。自分が傷付く前に世界を拒絶している」
「再びATフィールドが君や他人を傷つけてもいいのかい?」
「好きだという言葉と共にね」
「現実は知らない所に。夢は現実の中に」
「ヒトの心が自分自身の形を造り出しているからね」
「ただヒトは自分自身の意志で動かなければ何も変わらない」
■エヴァンゲリヲン新劇場版:序
「わかっているよ。あちらの少年が目覚め概括の段階に入ったんだろ」
「また3番目とはね。変わらないな、君は」
■エヴァンゲリヲン新劇場版:破
「はじめまして、お父さん」
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「さあ約束の時だ。碇シンジ君」
「今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」