今年の新入社員の人が入社してから約2ヶ月。そろそろ自分のイメージしていた社会人像とのギャップもはっきりしだすころでしょうか。社内や電車などでも、新入社員と思われる若者が死んだ目をして歩いているのを見かけるようになりました。 たかだか数年先輩なだけで大変恐縮ですが、新人やこれから就活をする人たちにひと
頑張る人、出来る人に仕事は集まる
世の常ですね。
人一倍どころか人百倍ぐらい責任感が強く、明らかに無茶な量の仕事でも血を吐きながらこなしている・・・。僕の周りでも時折こんな人を見かけます。得てしてそのような人は優秀なので、周囲や上司の信頼も厚く、難易度・優先度の高い仕事がどんどんと舞い込んできます。これはどんな職場でもだいたい同じだと思います。
そしてそんな人たちは悲壮感にすら見えるような責任感で仕事をこなしていきますが、いつの日か突然病院に運ばれていきます。これは僕の長いとは言えない社会人経験の中ですら、何度も聞いたり直接見たりしてきた実話です。
僕は別にこの記事で責任感を放棄しろと言いたいわけではありません。バレない手の抜き方講座を始めようもいう訳ではありません。
目の前の仕事に責任感と矜持をもって取り組むことは大事です。職業人としての基本かもしれません。
ただし、「責任感」という言葉は使い方を間違えたり、もしくは悪意を持って使う人間に従ってしまうと、恐ろしい殺傷力を持った言葉になります。
自分の身を守るのは自分
繰り返しになりますが、責任感を持って仕事に取り組むことは大切です。しかし誰にでも限界はあります。そして限界というものは、周りの人間からはわかりにくいものです。
ヤバそうな予感がした時は自分からアラートをあげるべきです。ヤバいと思ったときにはもう手遅れのこともあります。
それに、降りかかる仕事をこなしている(ように見えている)限り、仕事や責任が増えることはあっても減ることはありません。このままじゃヤバいと感じた時に自分を止めてくれるのは自分だけです。
ヤバイと感じたときは
【レベル1】上司に相談
まずはこれです。評価が落ちるかもしれない、叱責されるかもしれない、色々考えてしまうことはあるでしょうが、どれも身体を壊すよりかは遥かにマシです。
とにかく「無理なもんは無理」と正直に言いましょう。
「任された仕事はやりきる」「自己を犠牲にして職務を全うする人は立派」的なことが美徳とされる国ですが、自分の健康や命に比べたらそんなもんはクソ食らえです。
ただ、そうやってアラートをあげて早々に対応してくれる・対応ができる職場であれは、それはこのご時世相当にホワイトですね(それがそもそもおかしいとは思うが)。
聞く耳持たない人が上にいることもあるでしょう。わかっていてもどうにもならない職場事情もあるでしょう。そんな時は外に解決の助けを求めましょう。
【レベル2】家族・友人に相談する
どうしても忙しくて精神的に余裕がなくなると一人では正常な判断ができなくなります。常に修羅場でまわり皆が忙しい職場であればなおのこと、いまおかれている状況が当然と思ってしまいがちです。
家族・友人に相談しましょう。その職場からすれば第三者である人、そしてあなたの健康・身体を大切に思ってくれる人の言葉を聞いて下さい。そこで初めて自分がおかれている環境がやはりおかしいと思えたら相談に乗ってもらいながら一緒に対策を考えましょう。
【レベル3】しかるべき機関へ(病院・労基など)
身体に異常が起こったら病院へ、明らかに違法な労働をさせられているならば労基へ・・・。
でもこれ、本当はこれじゃ遅いんですよね。可能な限りレベル1・レベル2の段階できちんとしたところにも相談して、「倒れてやっと初めて病院で診察を受けた」ということが無いようにしたいものです。難しいことは重々承知です。でも、自分の身体のことを一番わかるのは自分、自分の身体に対して最終的な責任を負うのも自分です。
とはいえ、いつの間にか追い詰められて身体を壊してしまう人は得てして責任感が強くて優しい「いい人」です。そうそう簡単に仕事を投げ出すことなんでできないでしょう。
でしたら、次の項目に書いていることについて少し考えてみてもらえませんでしょうか。
命がけでしないといけない仕事なんてあるのか?
あなたが健康や命を犠牲にしてもやり切らないといけない仕事ですか、それ?
本来、人一人で出来ることなんてただが知れているはずです。だからこそ組織として活動するわけです。そして独りが負うべき責任だって、できることと同じ程度の重さでいいはずです。
仮にあなたが仕事の重圧に耐えきれずに倒れてしまったとして、当面は周りのメンバー等がその分の負担を背負ってカバーするでしょうが、いつかは別の人が補充されます。そのための採用活動です。それすらもままならなそうな職場であれば、悪いことは言いません、そんな会社に未来はありません。なおのことあなたが命をかける価値はないです。
要は会社にとってはあなたのかわりはいつかは現れるということです。それが組織です。企業というのは正常であればあるほど、可能な限り属人化を廃するようにしてるものです。
では、あなたの家族・恋人・友人、そしてあなた自身にとって、同じようにあなたのかわりはいつか現れるものでしょうか?
どっちが大事が考えるまでもないですよね。そのくらいシンプルな話だと思うんです。シンプルであるべきだと思います。
僕は無責任なことを言っているか?
こんなことを言うと「責任感に欠ける!」と怒る人もいるでしょう。
しかし現実にはそんな連中に多くの責任や仕事を負わされ、潰れていく人達がいます。
仮にあなた一人が死ぬほど頑張らないと10000人の生活に支障が出る仕事があったとします(分かりやすくするために超絶シンプルな話にしてます)。本当にあなた一人次第になっているのなら、それは組織として体制が間違っています。やりきれなかったとしても10000人に謝って回るべきなのはあなたの上司なり会社の経営層です。
また、同様にあなた一人が死ぬほど頑張らないとあなたの会社が傾いて10000人の社員が路頭に迷うとします(分かりやすくするために以下略)。それだって、その会社ができたてのベンチャー企業であなたが経営者とかでもなければ、間違っているのは組織の体制です。路頭に迷う残りの9999人に責められるべきは経営層です。
僕だって家族や友人(上のレベル2のように)から相談を受けたら必ず同じことを言います。組織や体制が間違っているのだから文句を言われる筋合いはないですよね。
自分の大切な人の健康や命よりも大切な仕事なんてあってたまるものか!!!
先日今年の新社会人にアンケートを取った結果、『給料が増える』ことよりも『残業がない・休日が増える』ことが重要視されているとニュースになっていました。ここで出てきた「自分ファースト」という言葉に僕は強い違和感を覚えました。
わざわざ「自分ファースト」なんて「」でくくって言うような特別なことなのか?
じゃ自分ファーストじゃない人間ってなんだ?奴隷か?
ただ、家族ファーストならまあわかる。
さいごに
生きるために仕事しているのか、仕事するために生きているのか?
時々わからなくなってそうで見ていて心配になる人がいます。
会社にとって君のかわりはいくらでも見つけようがある。でも、大切な人たちにとって君のかわりはいない。
やばそうなら投げ出そう。逃げ出そう。恥ずべきことでも責められるべきことでも何でもない。
以上です。
余談
最近は「働き方改革」なんて言葉の元、残業削減・有給の正しい取得が進められようとしていますね。いい傾向だと思います。どんどん進めていってほしいものです。
帰れる時に帰り、休めるときに休みましょう。
え、休んでも特にやることが無い?