みなし残業代とは、残業があることが常態のため、あらかじめ残業を見越して、残業があろうとなかろうと、一定時間分の残業代が支払われるものです。
例を上げると
みなし残業代が10時間分とすれば、実際の残業が5時間でも10時間支払われます。
しかし、仮に10時間を超えた場合は、超えた分は別に残業代として支払う必要があります。
30時間分支払われるとした場合、実際は20時間しか残業をしなくとも、30時間分残業代が支払われる、という制度です。
30時間以上残業をした場合は、30時間を超過した時間に対し、追加の残業代を支払わなければなりません。
問題点とデメリット
「みなし残業代を30時間分支払っているんだから、それ以上残業する方が悪いんだ、それ以上は知った事か」という対応の会社も存在します。
余談ですが、一昔前に管理職(店長)に時間的な裁量権がないと認められ、不払い残業代の支払いを命じた判例ができた時に導入する企業が急増したという経緯があります。
とりあえず、みなし残業時間を超過した場合に、追加の残業代が付かない企業はブラック、付く企業は労働者に優しい企業と考えていいかと思います。
実際には固定分だけ支払ってそれを超えても不足分を支払わないということが横行しています。
法律的に問題ないの?
給与であらかじめ一定の残業代を含んでおくことは可能です。
最低賃金を下回らなければその他手当の比率が大きいこと自体は問題ありません。
ただし残業代をあらかじめ含んでおく場合は以下の点が前提です。
1、通常の賃金と区分され残業代が明確にされていること。
2、実際の残業代が1の金額を超えたら不足分を支払うこと。
1を欠けば残業代が支払われているとは認められませんし、支払うべき残業代が全て支払われていなければ労働基準法第24条に反します。
残業代を多く支払われることはあっても少なくなることはありませんし、結局は時間把握もしなければならないので事務処理上からも本来は会社にメリットはありません。
みなし残業代が支払われるなら、何時間残業してもみなし分以上支払われないと誤解している人も多いですが、大間違いです。