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エタノールは飲める?失明の原因は?消毒用は危険?1分で解説

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1分で解説

エタノールは、お酒の成分のアルコールです。
毒になるアルコールは、メタノールというやつで、
多く飲むと死にますが、死ぬまで行かなかったときは失明する場合があります。
メタノールは酸化されてホルムアルデヒドとなるので、
体がホルマリン漬けになってしまうからです。

エタノールとは?

エタノール(ethanol)は、アルコールの一種。別名はエチルアルコール (ethyl alcohol)。
酒を酒たらしめる化学成分。お酒の原料、 医薬品、食品添加物、自動車の燃料など様々な利用されます。

何%から危険?

エタノールを危険物として取り扱わなければならないのは、エタノールが60%以上からです。

エタノールは消防法で、危険物第4類のアルコール類に当てはまります。

消防法にてアルコール類からの除外規定として

「十三 アルコール類とは、一分子を構成する炭素の原子の数が一個から三個までの飽和一価アルコール(変性アルコールを含む。)をいい、組成等を勘案して総務省令で定めるものを除く。」
とあり、

さらに
「危険物の規制に関する規則」(昭和三十四年九月二十九日総理府令第五十五号)

「第一条の三」のなかで
「4 法別表備考第十三号の組成等を勘案して総務省令で定めるものは、次のものとする。
一 一分子を構成する炭素の原子の数が一個から三個までの飽和一価アルコールの含有量が六十パーセント未満の水溶液」
と定められています。

すなわち、危険物第4類のアルコール類から除外されるのは、エタノールが60%未満です。

メタノールを誤飲した場合の対策は?

メタノールを誤飲した場合は「エタノール(酒)を飲ませると、
失明の危険性が低下」します。
体内の代謝優先度はエタノール>>メタノールなので、エタノールを分解している
間に、メタノールは分解されず肺から呼吸で外に放出されます。
もっとも、全く分解されないわけではないこと、急性アルコール中毒の可能性が
高まることから、病院に直行は避けられませんけど。

失明する理由は?

エタノールは体内で代謝されることによって、アセトアルデヒド→酢酸へと
変化していきますが、同様にメタノールは体内でホルムアルデヒド→蟻酸へ
変化します。
この時生成されるホルムアルデヒド・蟻酸は人体にとっては猛毒となりますので、
メタノールを誤飲すると最悪死亡することもあるわけです。

死ななかったとしても、ご質問の通り失明する可能性は極めて高いのですが、
その理由としてアルコール脱水酵素(メタノールをホルムアルデヒドにする)が
肝臓に次いで眼球の網膜に多く存在することが原因です。
では何故、眼球にアルコール脱水酵素が多いのか?
若干余談ではありますが、簡単に視覚のメカニズムについても説明します。

網膜では外界からの光を感知し、それを脳に伝えて映像化するための処理が
行われていますが、この処理は全て化学反応で成り立っています。
その反応は緑黄色野菜の栄養素として有名なβ-カロテン、これを
真中から真っ二つにすると2つの「レチノール」というアルコールになります。
網膜ではこのレチノールをアルコール脱水酵素が脱水して「レチナール」という
アルデヒドに変え、このアルデヒドを変形させたものを視細胞内で光と反応させる
ことで「光を感知」しています。
つまり光を感知するためには「レチノール」→「レチナール」という、アルコールを
アルデヒドに変化させる反応酵素が必要不可欠なわけです。

当然、メタノールも体内では脱水酵素が多く存在する眼球でホルムアルデヒドに
変化し、その際に視細胞が破壊されてしまうので失明する、という事になります。

飲んでも安全なエタノールと危険な違いは?

エタノールには実は飲んでも大丈夫(だいじょうぶ)なものと、飲むとヤバいやつがあります。

飲んでも大丈夫(だいじょうぶ)なエタノールは酔(よ)っぱらうだけです。

まあ、のどが焼けるかもしれませんが。

もちろん普通(ふつう)のお酒と同じように飲みすぎると急性(きゅうせい)アルコール中毒になる可能性(かのうせい)はありますよ。

飲んでも大丈夫(だいじょうぶ)なエタノールは、いわばお酒と同じです。

一方、飲むとヤバいエタノールは飲むと大変なことになります。

(厳密(げんみつ)にいうと、エタノールではなく、混合(こんごう)されている物質(ぶっしつ)がヤバいです)

それを飲むと、


  • 中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)、血液(けつえき)、肝臓(かんぞう)、腎臓(じんぞう)などやられる恐(おそ)れがあります
  • 鼻、喉(のど)、気管支(きかんし)などの粘膜(ねんまく)や肺(はい)がやられます
  • 眼(め)の粘膜(ねんまく)を刺激(しげき)します
  • 生殖能(せいしょくのう)または胎児(たいじ)への悪影響(あくえいきょう)の可能性(かのうせい)もあります

どうですか?ヤバいでしょ?

じゃあ、飲むとヤバいエタノールって何でしょう?

エタノールには3種類ある

エタノールには実は3種類ありまして、


  • 無水エタノール
  • エタノール
  • 消毒用エタノール

この3つです。

それぞれ何が違(ちが)うのでしょうか?

無水エタノール

無水エタノールは15℃でエタノールを99.5%以上含(いじょうふく)むものを言います。

地上最強のアルコールですね。

さぞ、消毒効果(しょうどくこうか)が強いかと思いきや、消毒効果(しょうどくこうか)はほとんどないそうです。

ここまでのアルコール濃度(のうど)にするには、普通(ふつう)に蒸留(じょうりゅう)するだけでは無理なんです。

この濃度(のうど)のエタノールを作るには、エタノールと水にベンゼンを混(ま)ぜて蒸留(じょうりゅう)することが必要です。

つまり、無水エタノールにはベンゼンが混(ま)じっている可能性(かのうせい)があるんですね。

これを水で薄(うす)めて飲むということは、ベンゼンを飲む可能性(かのうせい)があるということです。

ベンゼン飲んだらヤバイですよね。

胃に穴開(あなひら)くかもしれませんよ。

まあ、そこまでの濃度(のうど)ではないと思いますが。

無水エタノールは飲んだらヤバイエタノールです。

エタノール

次にエタノールというのは、15℃でエタノールを95.1〜95.6%含(ふく)むものを言います。

この濃度(のうど)のエタノールは普通(ふつう)に蒸留(じょうりゅう)されて作られているので、飲みたかったら飲んでも問題はなさそうです。

ただし自己責任(じこせきにん)でお願いします。

間違(まちが)いない美味しくはないと思いますよ。

消毒用エタノール

最後に消毒用エタノールですが、これは15℃でエタノールを76.9〜81.4含(ふく)むもので、一般的(いっぱんてき)に医療用消毒剤(いりょうようしょうどくざい)として使われます。

エタノールは80%前後の濃度(のうど)にするのが、最も消毒効果(しょうどくこうか)を発揮(はっき)するようです。

この消毒用エタノールについては飲めるかどうかは微妙(びみょう)なところです。

というのが、消毒用エタノールって同じブランドで同じ量のエタノールでも、こんなに値段(ねだん)が違(ちが)うんです。

消毒用エタノールIP 333円

消毒用エタノールIPA 943円

なぜここまで値段(ねだん)が違(ちが)うと思います?

エタノールには酒税(しゅぜい)がかかっている

ここまで値段(ねだん)が違(ちが)うのは、なぜかというと酒税(しゅぜい)がかかっているからです。

エタノールってお酒と同じ扱(あつか)いなんですね。

逆(ぎゃく)にいうと、酒税(しゅぜい)がかかっているエタノールは飲んでも大丈夫(だいじょうぶ)です(多分)。

一方、酒税(しゅぜい)がかからず安くなるのはなぜかというと、飲用として利用できないように、添加物(てんかぶつ)を加えているのです。

その添加物(てんかぶつ)の代表が「イソプロパノール」という物質(ぶっしつ)です。

別名「イソプロピルアルコール」というのですが、これは飲んだらヤバイやつです。

これを長期間飲み続けると、先ほど書いた

  • 中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)、血液(けつえき)、肝臓(かんぞう)、腎臓(じんぞう)などやられる恐(おそ)れがあります
  • 鼻、喉(のど)、気管支(きかんし)などの粘膜(ねんまく)や肺(はい)がやられます
  • 眼(め)の粘膜(ねんまく)を刺激(しげき)します
  • 生殖能(せいしょくのう)または胎児(たいじ)への悪影響(あくえいきょう)の可能性(かのうせい)もあります

こんな危険(きけん)があるわけです。

だから、安いエタノールは飲んではダメです!

というか、飲めるエタノールって500mlで1,000円近くするわけですから、それならもっと美味しい焼酎(しょうちゅう)でも買ったほうがいいですよね。

エタノールを飲むのは違法(いほう)?

ちなみにエタノールを飲むのが違法(いほう)だと思っている方もいらっしゃるようですが、そんなことはありません。

エタノールを飲むこと自体は違法(いほう)ではありません。

密造酒(みつぞうしゅ)を作っているわけではないですからね。

同じアルコールでも「メタノール」は飲んではダメ

同じアルコールでもメタノールは飲んではダメです。

メタノールを飲むと、アセトアルデヒドより毒性(どくせい)の高いホルムアルデヒドになり、最終的に猛毒(もうどく)の「ギ酸(さん)」へと分解(ぶんかい)されます。

ホルムアルデヒドはシックハウス症候群(しょうこうぐん)の原因物質(げんいんぶっしつ)の一つ。

その気体は呼吸器(こきゅうき)などの粘膜(ねんまく)を刺激(しげき)して、呼吸困難(こきゅうこんなん)などの症状(しょうじょう)を発症(はっしょう)させることも。

また、ギ酸(さん)は頭痛(ずつう)や吐(は)き気の原因(げんいん)となり、さらに視神経(ししんけい)を損傷(そんしょう)し、視力障害(しりょくしょうがい)や失明に至(いた)ることがあるのです。

こんな危険(きけん)なメタノールをわざわざ飲みたいという人はいないと思いますが、実は知らず知らずのうちに、私(わたし)たちはメタノールを飲んでいるのです。

もちろん、大きな障害(しょうがい)を引き起こすほどの量ではないのですが、ワインやウイスキー、ブランデーには少量のメタノールが含(ふく)まれているのです。

アメリカFDA(食料医薬品管理局)によると、アルコール飲料中のメタノールの許容量(きょようりょう)は体積比(たいせきひ)で0.1%とされています。

1リットルのアルコールで約1gとなります。

ある調査(ちょうさ)によると、フランス産の赤ワインには1リットルあたり128㎎のメタノールが検出(けんしゅつ)されたそうです。

FDA基準(きじゅん)を超(こ)えるメタノールを摂取(せっしゅ)するとなると、9リットルくらい飲まなければならないので、普通(ふつう)にお酒を飲んでいて、メタノールを摂取(せっしゅ)しすぎるということはないでしょう。

ちなみに、メタノールの危険水準(きけんすいじゅん)は

10㏄(小さじ1杯(はい))で失明
30㏄(大さじ1杯(はい))で致死(ちし)

と言われています。

日常生活(にちじょうせいかつ)でお酒を飲んでも危険(きけん)な量のメタノールを摂取(せっしゅ)することはないと思いますが、飲酒は控(ひか)えめに、たまには休肝日(きゅうかんび)を作りたいですね。

メチルアルコールは飲んだら失明

メチルアルコールは飲んだら失明します。

「エチルは胃散る、メチルは目散る、だからメチルアルコールは飲んじゃいかん」と科学の授業で習ったりします。

最後に

エタノールの話から、最後はメタノールの話に飛んでしまいましたが、消毒用エタノールは知らずに飲むと大変なことになるかもしれません。

添加物(てんかぶつ)の入っていないエタノールなら水で薄(うす)めて飲むのもありですが、イソプロピルアルコールが含(ふく)まれている可能性(かのうせい)の高い安いエタノールは飲むのはやめておきましょう。

そして「エチルは胃散る、メチルは目散る」って覚えておくのもいいかもしれないですね。



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