職業訓練(しょくぎょうくんれん)のお金に関する様々(さまざま)なメリット
職業訓練(しょくぎょうくんれん)はスキルや知識(ちしき)を身につけられる他に、お金の面でも様々(さまざま)なメリットがあります。
お金の心配が不要に!?失業手当を多くもらうことができる
公共職業訓練(こうきょうしょくぎょうくんれん)のメリットをあげるとすれば、失業保険(しつぎょうほけん)の給付を受けながら訓練を受けられることでしょう。
また失業手当の受給期間が、公共職業訓練(こうきょうしょくぎょうくんれん)を受けている間は延長(えんちょう)される場合があります。
その場合、職業訓練校(しょくぎょうくんれんこう)に通うことで、失業手当の受給期間が訓練期間の終了(しゅうりょう)まで延(の)ばされ、結果として合計でもらえる失業手当が増加(ぞうか)するということも。
受給残日数などの条件(じょうけん)があるので、詳(くわ)しくはハローワーク窓口(まどぐち)で相談してみましょう。
また失業保険(しつぎょうほけん)は、会社都合の退職(たいしょく)であればすぐに支給(しきゅう)が開始されますが、自己都合退職者(じこつごうたいしょくしゃ)には3ヶ月の給付制限(きゅうふせいげん)がかけられます。
ですが、職業訓練(しょくぎょうくんれん)を開始すれば給付制限(きゅうふせいげん)がなくなりすぐに失業手当を受け取れるようになります。公共職業訓練(こうきょうしょくぎょうくんれん)を受けることは、お金の面でも大きなメリットがあると言えるでしょう。
受講手当(じゅこうてあて)や通所手当を受け取ることができる
公共職業訓練(こうきょうしょくぎょうくんれん)に通う間は、受講手当(じゅこうてあて)を受け取ることができます。受講手当(じゅこうてあて)は日額(にちがく)500円で、最大40日分、合計2万円が支給(しきゅう)されます。
受講(じゅこう)の際(さい)テキスト代は自己負担(じこふたん)となりますが、この受講手当(じゅこうてあて)によってまかなえるので、金銭的(きんせんてき)な負担(ふたん)はほぼないと言えるでしょう。
また職業訓練校(しょくぎょうくんれんこう)まで通う際(さい)の、通所手当(交通費)も受け取れます。通所手当は上限(じょうげん)が1ヶ月あたり4万2,500円。
電車、バスなどの公共交通機関を利用する場合は一番安い経路(けいろ)の1ヶ月定期代分の金額(きんがく)が支払(しはら)われ、車やバイクで通う場合も距離(きょり)によって支給(しきゅう)されます。
失業保険(しつぎょうほけん)の受給手続きが簡単(かんたん)になる
在職中(ざいしょくちゅう)に雇用保険(こようほけん)に入っていれば、会社を退職(たいしょく)し、次の仕事が見つかるまでの間、失業手当が支給(しきゅう)されます。
しかし、給付手続きも一度で簡単(かんたん)に完了(かんりょう)するわけではありません。
離職(りしょく)した人が失業保険(しつぎょうほけん)を受給するためには、1ヶ月ごとの失業認定日にハローワークに足を運び、職員(しょくいん)と面談をして就職活動(しゅうしょくかつどう)の状況(じょうきょう)などを報告(ほうこく)する必要があります。
一方で公共職業訓練(こうきょうしょくぎょうくんれん)を受講(じゅこう)すると、制度上毎月(せいどじょうまいつき)の失業認定日(しつぎょうにんていび)に訓練校側が失業保険(しつぎょうほけん)の受給手続きを代行してくれるようになります。
つまりハローワークに通わなくても失業保険(しつぎょうほけん)を受け取ることが可能(かのう)になるのです。
失業認定日(しつぎょうにんていび)にハローワークへ行かない場合は、失業手当の給付が遅(おく)れることになるので、生活の面から考えてもメリットがあると言えます。
お金をもらいながら勉強できる!?職業訓練(しょくぎょうくんれん) 給付金について
職業訓練(しょくぎょうくんれん)を受講(じゅこう)する際(さい)、金銭的(きんせんてき)な問題を抱(かか)える方に向けて「職業訓練給付金」という制度(せいど)が用意されています。
職業訓練受講給付金(しょくぎょうくんれんじゅこうきゅうふきん)とは
職業訓練受講給付金(しょくぎょうくんれんじゅこうきゅうふきん)とは「ハローワークに求職(きゅうしょく)の申込(もうしこ)みをしている」かつ「雇用保険(こようほけん)を受給していない」方が対象の制度(せいど)です。
求職者支援訓練(きゅうしょくしゃしえんくんれん)を受講(じゅこう)することが前提(ぜんてい)で、以下の条件(じょうけん)を満たした方がもらえるお金です。
- 本人収入(ほんにんしゅうにゅう)が月8万円以下
- 世帯全体の収入(しゅうにゅう)が月25万円(年収(ねんしゅう)300万円)以下
- 世帯全体の金融資産(きんゆうしさん)が300万円以下
- 現在住(げんざいす)んでいる所以外に土地・建物を所有していない
- 訓練実施日(くんれんじっしび)に全て出席(やむを得ない理由がある場合で
も、支給申請(しきゅうしんせい)の対象となる訓練期間の8割以上出席(わりいじょうしゅっせき)している) - 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けて
いる人がいない - 過去(かこ)3年以内に、偽(いつわ)りその他の不正の行為(こうい)により、特定の
給付金の支給(しきゅう)をうけたことがない
お金をもらいながら勉強できる
職業訓練給付金制度(しょくぎょうくんれんきゅうふきんせいど)を利用する事で、お金をもらいながら技術(ぎじゅつ)や知識を身に付けることができます。
給付金は「職業訓練受講手当(しょくぎょうくんれんじゅこうてあて)」として月額(げつがく)10万円支給(まんえんしきゅう)されます。また、訓練機関までの交通費である「通所手当」も併(あわ)せて支給(しきゅう)されます。
条件(じょうけん)は厳(きび)しい
職業訓練受講給付金(しょくぎょうくんれんじゅこうきゅうふきん) は、月に10万円もの手当と、加えて交通費が支給(しきゅう)されるので、失業保険を受け取れない人にとっては生活面で非常(ひじょう)に支(ささ)えとなる制度(せいど)でしょう。
しかし受給のための条件(じょうけん)はかなり厳(きび)しいと言えます。申請(しんせい)には上記の要件(ようけん)を満たすことが条件(じょうけん)であり、さらに講座(こうざ)には必ず出席しなければならず、遅刻(ちこく)や早退(そうたい)、欠席が1回でもあると支給(しきゅう)されなくなります。
もちろん正当な理由があれば全体の出席の8割(わり)まで休むことは認(みと)められていますが、その際(さい)は必ず証明書類(しょうめいしょるい)が必要になります。
経済的(けいざいてき)な条件(じょうけん)はもとより、勤勉(きんべん)さや真面目に出席する事も評価対象(ひょうかたいしょう)とされているのです。
職業訓練校(しょくぎょうくんれんこう)のデメリット
ここでは職業訓練校(しょくぎょうくんれんこう)のデメリットについて紹介(しょうかい)します。
転職(てんしょく)までに時間がかかる
職業訓練(しょくぎょうくんれん)の受講(じゅこう)から就職(しゅうしょく)に至(いた)るまで、非常(ひじょう)に時間がかかります。
まず、職業訓練の選考は筆記試験、面接試験(めんせつしけん)など複数回行(ふくすうかいおこな)われることもあり、当然ながら合格(ごうかく)できない場合があります。
さらに自分が受けてみたいと思う講座(こうざ)が複数(ふくすう)あっても、同時に併願(へいがん)することはできません。一度申し込(こ)みをしたら、結果を待つしかなくなります。
選考に落ちた場合はまたすぐ別のコースに応募(おうぼ)することはできますが、大抵(たいてい)の場合は、スケジュール的に翌月(よくげつ)の申込(もうしこ)みになってしまいます。
また職業訓練(しょくぎょうくんれん)は1つしか通うことができません。また、選考に受かり、職業訓練(しょくぎょうくんれん)を受講(じゅこう)した場合は、その後1年間、別の講座(こうざ)は受けられません。
訓練選びは慎重(しんちょう)にする必要があると言えるでしょう。
講座(こうざ)そのものもコースによっては、短くて3か月以上。長くて1~2年と、ある程度(ていど)の期間が必要となります。
以上のことから、職業訓練(しょくぎょうくんれん)は申し込(こ)みの段階(だんかい)から、就職(しゅうしょく)に至(いた)るまで、非常(ひじょう)に時間がかかることが想定されます。
お金の面で生活が困難(こんなん)になる場合も
お金・生活の面でも不安要素(ふあんようそ)があります。職業訓練(しょくぎょうくんれん)は、失業手当の給付を受けながら勉強をすることができます。
しかし失業手当の受給額(じゅきゅうがく)は前職(ぜんしょく)の給与(きゅうよ)の2/3の額(がく)と規定(きてい)されている
ため、前職(ぜんしょく)の給与(きゅうよ)が低かった場合職業訓練中(ばあいしょくぎょうくんれんちゅう)はさらに低い収入(しゅうにゅう)で生活していくことになってしまいます。
また職業訓練中(しょくぎょうくんれんちゅう)は訓練に専念(せんねん)して欲(ほ)しいとの理由から、アルバイトなどで収入(しゅうにゅう)を得ることは規則(きそく)で禁止(きんし)されています。
もし、アルバイトなどで収入(しゅうにゅう)があった場合、訓練生はそれを報告(ほうこく)する義務(ぎむ)が発生し、収入(しゅうにゅう)があった日の失業手当は給付されません。
つまり訓練中は収入(しゅうにゅう)を得る事はできず、失業手当のみで生活をしていくことを余儀(よぎ)なくされるのです。
前職(ぜんしょく)の辞めたきっかけが収入面(しゅうにゅうめん)などの理由であった場合でも、生活が厳(きび)しい状況(じょうきょう)が今後も続いていくことを理解(りかい)しておかなければなりません。
講師(こうし)や受講(じゅこう)コースによって、学べるレベルに差がある
職業訓練(しょくぎょうくんれん)の開催講座(かいさいこうざ)は地域(ちいき)によって異(こと)なり、自宅(じたく)から通える範囲(はんい)に希望の講座(こうざ)がないこともあります。
また例えばエンジニアの訓練の場合「職業訓練校(しょくぎょうくんれんこう)」でプログラミングを教える講師(こうし)は、短期パートで雇用(こよう)されていることもあり、現役(げんえき)のエンジニアではないことも多いです。
すでに定年を迎(むか)えた元エンジニア、開発現場(かいはつげんば)で働いたことがないけれどプログラミングに詳(くわ)しい人が講師(こうし)を勤(つと)めている場合もあるため、現場(げんば)で活かせるスキルが必ずしも身につくとは言えないかもしれません。