頭が固い人の特徴(とくちょう)
自信があるため人の意見を聞こうとしない
頭が固い人には、人の意見や考えに耳を傾(かたむ)けようとしないという特徴(とくちょう)があります。
人と議論(ぎろん)をしたり、意見交換(いけんこうかん)をする場合、自分の考えを一方的に主張(しゅちょう)するだけで、人の意見を聞きません。
話し合いというのは、そもそも、それぞれの人が自分の考えを述(の)べると同時に、人の意見も聞くことで成立すると考えていいでしょう。
一方的に自己主張(じこしゅちょう)することは、議論(ぎろん)や話し合いとは呼(よ)べません。
頭の固い人はそれに気づかずに、ただ、自分の意見だけを発表し、それに人を同調させよう、従(したが)わせようとするのです。
どうしてそういうことになってしまうのか、そのもとにあるのは、「自分に対する自信」と考えていいでしょう。
もし、自分の意見や考えに自信がなければ、そのように一方的な主張(しゅちょう)をすることはしないはずです。
自信のない人は、むしろ積極的に人の意見を聞き、それを参考にしようとするにちがいありません。
頭が固く、人の意見を無視(むし)する人は、「人の意見を聞く必要はない」と考えています。
なぜ、人の意見を聞く必要がないのかと言えば、その答えは「自分の意見や考えが正しいという自信があるから」ということになるでしょう。
先入観や固定概念(こていがいねん)に縛(しば)られる
思い込(こ)みが強く、「これはこうだ」と決めつけてしまうというのが、頭の固い人の思考の特徴(とくちょう)と言っていいでしょう。
たとえば、料理の方法について、人から何かアドバイスされたとしましょう。
「この料理ではあなたがふだん使っている調味料ではなく、別の調味料を使った方がよりおいしくなるよ」というようなアドバイスだとします。
アドバイスされた調味料が、ふつうはその料理には使わない種類のものだった場合、そのアドバイスを聞き入れるということを、頭の固い人はしません。
「この料理にはこの調味料を使うのが常識(じょうしき)」という固定概念(こていがいねん)にとらわれてしまい、そこから抜(ぬ)け出すことができないからです。
人に対する評価(ひょうか)なども同様です。
たとえば、初対面の人と話をしている時、その人の血液型(けつえきがた)がわかったとしましょう。
そうすると、「その血液型(けつえきがた)の人には、こういう特徴(とくちょう)がある」という先入観を持ってしまいます。
そのため、まだつきあってもいないのに、その人のことを「こういう性格(せいかく)の人」と決めつけてしまうのです。
同じ血液型(けつえきがた)だからといって、すべての人が同じ性格(せいかく)というわけがありません。
しかし、先入観に縛(しば)られてしまうため、一つの情報(じょうほう)によって、その人に対する評価(ひょうか)や見方を決めてしまうのが、頭が固い人の特徴(とくちょう)と言っていいでしょう。
自分の経験則(けいけんそく)に頼(たよ)る
経験則(けいけんそく)に頼(たよ)りがちというのも、頭が固い人の特徴(とくちょう)です。
仕事を例にあげて説明しましょう。
飛び込(こ)み営業(えいぎょう)をして、新規(しんき)の客を開拓(かいたく)したとします。
すると、その成功経験(せいこうけいけん)が、絶対(ぜったい)の尺度(しゃくど)のようになってしまうのが、頭が固い人なのです。
営業(えいぎょう)の仕事などは、相手にあわせて接(せっ)し方や対応(たいおう)を変えていく必要があるでしょう。
ものわかりの良い客と、気難(きむずか)しいタイプの客では、接(せっ)し方を変えなければ、うまく行きません。
ところが、頭の固い人はそうは考えないのです。
「前にこのやり方で、新規(しんき)の客を開拓(かいたく)することができたから、今度も同じやり方で営業(えいぎょう)をかければうまく行くだろう」と考え、それを実行するのが、頭が固い人と言うことになるでしょう。
何かのトラブルが起きた時でも同様です。
以前に同じようなトラブルが起きて、それを処理(しょり)した経験(けいけん)があるとしましょう。
そうすると、よく考えることをせず、その時とまったく同じ対処法をします。
同じようなトラブルでも、そのトラブルの内容(ないよう)や性質(せいしつ)がまったく同じでなければ、違(ちが)うやり方を考えたほうがうまく行くことも少なくありません。
しかし、頭が固い人は、そのように柔軟(じゅうなん)に考えようとはせず、自分の経験則(けいけんそく)に頼(たよ)り切ってしまうのです。
その結果、うまく行かないことが多いというのも、頭が固い人の特徴(とくちょう)ということになるでしょう。
新しいものや新しいことが嫌(きら)い
頭が固い人には「新しいもの、新しいことが嫌(きら)い」という特徴(とくちょう)があります。
たとえば、何か新しい機能(きのう)の付いた通信機器が発売されたとしましょう。
それを使えばこれまでよりも格段(かくだん)に便利になるとします。
「そんなに便利になるなら」とその機器に興味(きょうみ)を示(しめ)し、購入(こうにゅう)することを検討(けんとう)する人が少なくないでしょう。
しかし、頭が固い人は、そうした新製品(しんせいひん)にほとんど関心をもちません。
頭が固い人は「今までどおり」というのが好きなために、新しいものを積極的に購入(こうにゅう)したり、取り入れたりはしないのです。
もちろん、仕事や生活上どうしても必要になれば、新製品(しんせいひん)を求めることはありますが、それは必要に迫(せま)られてのことで、自分から積極的には求めません。
流行も同様で、なにか新しいことが流行っていても、それを取り入れることを嫌(きら)います。
さらに言うと、趣味(しゅみ)や習いごとなどに関しても、これまでやったことのない新しい分野にチャレンジすることを嫌(きら)うのが、頭が固い人の特徴(とくちょう)と言っていいでしょう。
頭が固い人は、「ちょっと新しいことを試してみようか」というような、柔軟(じゅうなん)な考え方ができません。
昔からの趣味(しゅみ)に固執(こしつ)したり、長年続けている習いごとにのみ関心を示(しめ)し、新しい世界を知ろうとしないのが、頭が固い人の特徴なのです。
人間関係を広げようとしない
現在(げんざい)の人間関係のみを大切にして、今以上に人間関係を広げる努力をしないというのも、頭が固い人の特徴(とくちょう)と言っていいでしょう。
頭が固い人は、ある限(かぎ)られた特定の人とのみ交際(こうさい)するという傾向が強くあります。
これは、頭の柔(やわ)らかな人と比較(ひかく)してみるとわかりやすいでしょう。
頭の柔軟(じゅうなん)な人は、人間関係も柔軟(じゅうなん)に考えます。
ですから、現在(げんざい)の人間関係を大切にしながらも、新しい友達を作ったり、これまでつきあったことのないタイプの人との関係を開拓(かいたく)することに積極的です。
頭の固い人には、そうした積極性(せっきょくせい)はありません。
いつも決まったメンバーと交際(こうさい)することで満足し、違(ちが)うタイプの人と付き合ってみようという意志(いし)は持たないのです。
人間は、さまざまなタイプの人と付き合えば付き合うほど、柔軟な思考力を持つことができると言っていいでしょう。
「こういう見方をする人もいるのか」「こんな生き方もあるのか」ということを、タイプの違(ちが)う人とつきあうことで学ぶわけです。
頭が固い人は違(ちが)います。
決まったメンバー、同じようなタイプの人とばかり付き合うために、そうした広い視野(しや)を持つことができません。
人間関係の幅(はば)を広げようとしないために、柔軟(じゅうなん)な思考を身に着けることができないのが、頭が固い人の特徴(とくちょう)ということになるでしょう。
二者択一(にしゃたくいつ)の思考しかしない
人間は常(つね)に選択(せんたく)をしながら生きていると言ってもいいでしょう。
「AにしようかBを選ぼうか」という選択(せんたく)をして生きてるのが人間というものなのです。
頭が固い人もそうした選択(せんたく)をするわけですが、その際(さい)、二者択一でしか考えない傾向(けいこう)が強くあります。
たとえば、会社の会議で、「A案」と「B案」が提出(ていしゅつ)され、それについて議論(ぎろん)することになったとしましょう。
参加者はA案とB案、それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、自分の意見を発表するわけです。
その際(さい)、頭が固い人はあくまでも二者択一(にしゃたくいつ)にこだわり、別の選択を考えようとはしません。
柔軟(じゅうなん)に考える人なら、2つの案の「いいところ取り」をして、折衷案を提案(ていあん)するというやり方もあるでしょう。
あるいは、議論(ぎろん)を進めていくうちに、2つの案とは全く違(ちが)う、新たなC案が生まれることもあるに違(ちが)いありません。
しかし、頭が固い人は、そういう「別の選択肢(せんたくし)」を想定することをしません。
最初から「選択肢(せんたくし)はAかBだけ」と決めつけてしまうために、選択の可能性(かのうせい)を広げることができないのです。
柔軟(じゅうなん)に考えれば、新たな発想が生まれる可能性(かのうせい)があるのに、最初からその可能性(かのうせい)を放棄(ほうき)してしまうのが、頭が固い人の思考の特徴(とくちょう)と言っていいでしょう。
頭が固いのを治す方法
固定観念に捉(とら)われすぎない
柔軟(じゅうなん)な考えを持つことができない人は、物事に対する答えが1つに決められていると思い込(こ)みがちです。
自分の中にある常識(じょうしき)が当たり前のことであり、それ以外の答えは非常識(ひじょうしき)でありえないものだと却下(きゃっか)してしまっていることも珍しくありません。
ですが、文化や習慣(しゅうかん)が異(こと)なってくれば、当然だと思っていたことが相手にとって非常識(ひじょうしき)なものであるということも少なくなく、通用しない場面も少なくありません。
頭の固い人はそれをなかなか受け入れることができず、自分の中の常識(じょうしき)が覆(くつがえ)されることが認(みと)められないのが問題になります。
ですから、そこでありえないと切り捨(す)ててしまわずに、どうにかして理解(りかい)しようとする努力が必要です。
何故自分(なぜじぶん)の常識(じょうしき)が通用しないのか、相手にとっての常識(じょうしき)が何であるのか、その違(ちが)いを比(くら)べて視野(しや)を広げるチャンスだと受け止めるのがポイントになります。
そうすることで、自分が拘(こだわ)りすぎている固定観念を見つめ直すいい機会になりますし、正解(せいかい)だと思い込(こ)んでいた答えが決して1つではないと知ることができるいいきっかけになるのです。
選択(せんたく)を迫(せま)られた時や答えを出さなければならない時などは、なるべくいろいろな人の意見や気持ちなどを考えた上で、選択肢(せんたくし)を複数用意(ふくすうようい)するように考えてみてください。
頭が柔(やわ)らかくなれば、いくつもの答えが浮(う)かぶようになります。
いろいろな経験(けいけん)をしてみる
頭の固い人は積極的に行動することなく、毎日同じような生活を繰(く)り返しているために、世界が狭(せま)くなってしまっていることが多くなっています。
経験不足(けいけんぶそく)から視野(しや)を広げるチャンスを逃(に)がしてしまっており、新しいものを取り入れられずに考えかたも凝(こ)り固まってしまっていることが少なくないのです。
ですから、意識(いしき)をしていろいろな世界を知ることができるように、さまざまな場所に行き未知のものに見たり触(ふ)れたりして、経験(けいけん)を重ねていくことが大切になります。
価値観(かちかん)の違(ちが)う人と交流を持ったり、行ったことがなかったジャンルなどに携(たずさ)わることで経験(けいけん)をどんどん積んでいけば、これまで気がつくことのなかった自身の視野(しや)の狭(せま)さがわかるようになるのです。
また、頭の固い人は何でも深刻(しんこく)に受け止めてしまいがちなのですが、こうした経験(けいけん)は自身を高めるためのものと真面目に行うよりも、楽しんだもの勝ちの精神(せいしん)で挑戦(ちょうせん)するのがちょうどいいでしょう。
知らなかったことをどんどん吸収(きゅうしゅう)していくことで人間性(にんげんせい)を豊(ゆた)かにすることができますし、これまでいかに自分が小さいことに拘(こだわ)りすぎていたのかがわかりますが、反省した上で自身の成長を素直(すなお)に喜んでください。
サボり精神(せいしん)も時には必要
何事にも全力で取り組んで最善(さいぜん)の成果を出さなければ気が済(すみ)まないと考えがちで、周囲がだらけた雰囲気(ふんいき)になっていても自主的にサボるようなことをしないのがいいところではあります。
ですが、気を抜(ぬ)くことが下手でストレスを溜(た)め込(こ)みやすく、体力の限界(げんかい)まで頑張(がんば)りすぎて気がついたら疲労困憊(ひろうこんぱい)になってしまっているということもあるのが頭の固い人の特徴(とくちょう)です。
いつも頑張(がんば)っているのですから、少しくらい怠(なま)けていても誰(だれ)も咎(とが)めることはありませんし、自身の体調と精神(せいしん)のためにも息の抜(ぬ)きかたを覚える必要があります。
1日のうちに何もしないでボーっとする時間を作れば頭と心をフラットな状態(じょうたい)にすることで余裕(よゆう)が生まれますし、固まってしまった頭を解(かい)すことで違(ちが)う答えが見えてくることも少なくありません。
行き詰(つま)ってしまった時にはちょっと一休みをして、美味しいものを食べて思いっきりリフレッシュするのもいいでしょう。
頭の固い人はそうした息抜(いきぬ)きに後ろめたさを感じてしまうことがありますが、脳(のう)がパンクしないようにするために必要なサボりは積極的に行うべきです。
頭を上手く働かせたいと思っているのでしたら、効率(こうりつ)のいい頭の使いかたを覚えてください。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場(しょくば)での悩(なや)みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴(とくちょう)とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。
きっと今までの悩(なや)みや問題が一瞬(いっしゅん)で解決(かいけつ)できるキッカケをつかむことができるはずですよ。
