リーマンショックとは？

リーマン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国(がっしゅうこく)の投
資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス
（Lehman Brothers Holdings Inc.）が経営破綻(けいえいはたん)したことに端(たん)を
発して、連鎖的(れんさてき)に世界規模(せかいきぼ)の金融危機(きんゆうきき)が発生した事象を総括的(そうかつてき)
によぶ通称(つうしょう)である。

リーマン・ブラザーズは、負債総額約(ふさいそうがくやく)6000億ドル（約64兆円）
というアメリカ合衆国(がっしゅうこく)の歴史上、最大の企業倒産(きぎょうとうさん)により、世
界連鎖的(かいれんさてき)な信用収縮(しんようしゅうしゅく)による金融危機(きんゆうきき)を招いた。

リーマン・ブラザーズは、破綻(はたん)の前日までアメリカ合衆国財務(がっしゅうこくざいむ)
省や連邦準備制度理事会(れんぽうじゅんびせいどりじかい)（FRB）の仲介(ちゅうかい)の下でHSBCホールディン
グスや韓国産業銀行(かんこくさんぎょうぎんこう)など、複数の金融機関(きんゆうきかん)と売却(ばいきゃく)の交渉(こうしょう)を行っていた。日本のメガバンク数行も参加したが、後の報道であ
まりに巨額(きょがく)で不透明(ふとうめい)な損失が見込(みこ)まれるため、買収(ばいしゅう)を見送った
と言われている。

最終的に残ったのはバンク・オブ・アメリカ、メリルリンチ、
バークレイズであったが、アメリカ合衆国連邦政府(がっしゅうこくれんぽうせいふ)が公的資金
の注入を拒否(きょひ)していたことから交渉不調(こうしょうふちょう)に終わった。

しかし交渉以前(こうしょういぜん)に、損失拡大(そんしつかくだい)に苦しむメリルリンチはバンク・
オブ・アメリカへの買収打診(ばいしゅうだしん)が内々(ないない)に決定され、バークレイズ
も巨額(きょがく)の損失を抱(かか)え、すでにリーマン・ブラザーズを買収(ばいしゅう)する
余力などどこにも存在(そんざい)していなかった。リーマン・ショックの
経緯(けいい)については、アンドリュー・ロス・ソーキン著(ちょ)の「リーマ
ン・ショック・コンフィデンシャル」（原題: Too Big to
Fail）に詳細(しょうさい)に説明されている。

日本は長引く不景気から、サブプライムローン関連債権(かんれんさいけん)などに
はあまり手を出していなかったため、金融会社(きんゆうがいしゃ)では大和生命保
険が倒産(とうさん)したり農林中央金庫が大幅(おおはば)な評価損を被(こうむ)ったものの、
直接的な影響(えいきょう)は当初は軽微(けいび)であった。しかし、リーマン・
ショックを境に世界的な経済(けいざい)の冷え込(こ)みから消費の落ち込(こ)み、
金融不安(きんゆうふあん)で各種通貨から急速なアメリカ合衆国(がっしゅうこく)ドルの下落が進
み、アメリカ合衆国(がっしゅうこく)の経済(けいざい)への依存(いぞん)が強い輸出産業から大きな
ダメージが広がり、結果的に日本経済(にほんけいざい)の大幅(おおはば)な景気後退へも繋(つなぎ)
がっていった。