朝起きたら知らないうちに両手を頭の上にあげて“バンザイ”の格好で寝ていた…心当たりのある方も多いのでは。赤ちゃんにとっては自然な格好でも、大人のバンザイ寝は肩や首の凝り、体の冷え、いびきの原因になるなど良いことがないそうです。
気づいたらバンザイの格好で寝ている…心当たりありませんか?
バンザイ寝は疲れや体の不調の証
バンザイしたり腕を上げる寝相はカラダの警告サインかもしれません。
腕を上に上げた状態は、肩の筋肉や背中上部がゆるむため、首コリ・肩コリ・目や頭の疲れがある人がついとってしまう寝姿勢です。
普段から肩や首が凝っている人は、バンザイ寝をしがちなのだそうです。
バンザイは睡眠と目覚めのリズムが乱れで、前傾で縮こまったカラダを戻そうとしているのだそう。
ストレッチで「伸び」をすると気持ち良いのと同じ理由です。
バンザイ寝を続けているとどうなる?
たしかに両手を頭の上に上げるストレッチは気持ちいいけど、その姿勢のまま寝続けていたら…?
バンザイした状態で寝ている人は要注意です。両手を上に上げた寝相は睡眠の質を下げて体調を悪くする可能性があるからです。
バンザイ寝は肩や首の筋肉が一時的には楽になる反面、他の筋肉が緊張したり、腕や肩が冷えたりするなど、この姿勢を長時間とることは逆に別の凝りや疲れを招いてしまうことも。
バンザイ寝を続けていると、肩から指先にかけての動脈が引き伸ばされることになります。
気道が狭くなるので、いびきをかきやすくなると言われています。
腕も疲れるし、血行も悪くなります。さらに、筋肉が硬くなり、四十肩や五十肩の原因にもなるのです。
バンザイ寝や大の字の寝相はのびのびとして気持ち良さそうに見えますが、起きた時に体がスッキリしていなかったり、腕や肩が疲れているといった自覚症状を伴うかもしれません。
バンザイ寝は体を冷やし、血行を悪くするため翌朝も疲れが残る原因になります。
その疲れがさらにバンザイ寝を招く悪循環になってしまいます。
就寝中に自然と取ってしまう姿勢を意識して治すことは難しいですが、寝相を直すためにまずその原因となる体の不調を治していきましょう。生活習慣を見直したり適切な治療を受けるなどの対処をしましょう。
すぐに実践できる方法として、「背骨(背中の中心)をゆっくり押してもらう」こともお勧めです。これだけでも背中の緊張が少しゆるみます。
疲れがバンザイ寝の原因になり、冷えることが疲れの原因になるので、日頃から温めるなど、疲れを溜めない生活を心がけてください。
「寝る前に温湿布で目、頭、首の付け根を温める」、「背中で手を合わせて合掌する」、「腕を斜めにクロスする」など、縮まった腕と胸の付け根を開くストレッチを行うのもおすすめ。
お布団が柔らかすぎることも原因のようです。寝具が柔らかすぎると、必要以上に腰の部分が沈み、バランスを取ろうとして、手を上げるようです。
寝具がバンザイ寝の原因になっている場合もあります。
布団やベッドが必要以上に柔らかすぎると、身体の凝りの原因になります。特に腰の部分が沈み込まない程度の硬さの寝具にしましょう。
余談:赤ちゃんがバンザイ寝する理由
赤ちゃんって、基本的にバンザイ寝だけど…
産まれて間もない赤ちゃんは、バンザイ以外の格好では寝ません。
赤ちゃんがバンザイポーズをするのは、勝利宣言でも、何かに喜んでいるわけでも、癖でもありません。
赤ちゃんがバンザイ寝をする理由には諸説あるようですが、疲れからくる大人のバンザイ寝とは、明らかに理由は違うそうです。
赤ちゃんは布団から手を出して、手から熱を出して体温調整をしているのだとも言われています。赤ちゃんの体温は、大人よりも約0.5~1.度高くなっています。まだまだ体温調節も成長段階の赤ちゃんは本能で、自分の体温を上手に調節しているのかもしれませんね。
体温調節がうまくできないために、バンザイ寝をするという説。
赤ちゃんの内臓は体温と同様まだまだ未発達。そのため赤ちゃんは、生まれてからは小さな肺を十分に使って呼吸をしているためにバンザイの体制で寝ているとも言われています。
内臓の機能が未発達なために、バンザイの体勢をとるという説。
赤ちゃんは手足に力を入れていないため、自然にそうなるから良いそうですが、大人のバンザイ寝は健康に問題があるようなので注意が必要です。
赤ちゃんが寝るときのバンザイ、そしてガニ股は体に力が入っていない、むしろ自然なポーズなのだそうです。