2004年に放送終了した、バラエティ番組「マネーの虎」。自らのプレゼン一つで成功を収めた社長達から投資金をゲットするというこの番組。出資希望者もさることながら、一癖二癖ある「虎」達の言動も大いに注目を集めました。あれから10年。当時の「虎」達と、出資希望者達の現在をまとめてみました。
- ▼番組終了から10年…当時の”虎”と虎たちに挑んだ人々の現在
- ▼”成功”の谷から転げ落ちた、虎達の現在
- ⊿2012年に本店を閉店した現在、事業を縮小しながらもラーメン店を経営している
- ▼過激な発言でも話題を集めた”飲食の虎”の現在
- ⊿自らの理想だった「食のテーマパーク」が大失敗…自己破産に追い込まれてしまった
- ▼「マネーの虎」最多出演…ホームレスから年商100億越えを達成した虎
- ⊿ネットオークションなどの隆盛により業績が悪化…全米進出の夢は潰えてしまった
- ▼大震災から”悟り”を開き、マネーの虎の不動産王となった上野氏
- ⊿昨年多額の負債を抱え倒産…債権者から「詐欺」との指摘も
- ▼ヤミ金を元手に、一躍飲食業界で成功を収めた安田久氏
- ⊿しかしリーマンショックに勝てず自己破産…それでも経営コンサルタントなど精力的に活動を続けている
- ▼一方「マネーの虎」出演を機に、自らも”虎”となった男達
- ⊿今や年商4億を稼ぎ出す”虎”となっていた
- ▼出資した社長まで罵倒されたパソコン修理会社だったが…
- ⊿開業当時はひどいドタバタぶりを見せるも…現在は”夢”を叶える成功を達成した
- ▼放送時は「怪しい」などと呼ばれたチヨペットも、今年で11期を迎えています
- ▼「お客様が全て」という理念に反発した”虎”と、共感した”虎”
- ⊿”利益よりお客様”という理念が、”外食の虎”の常識を打ち破った
▼番組終了から10年…当時の”虎”と虎たちに挑んだ人々の現在
2000年代前半にヒットしたバラエティ番組「マネーの虎」
企画の斬新さが人気を博し、司会役の俳優、吉田栄作による「ノーマネーでフィニッシュです」の決めぜりふも一世を風靡
名物社長として色々な方が出ていましたが、その虎たちのその後を調べてみました
▼”成功”の谷から転げ落ちた、虎達の現在
ラーメンブームの火付け役で、豚骨ラーメンを全国区にした「なんでんかんでんフーズ」の川原ひろし社長
2001年から放映された『マネーの虎』の出演で絶対的知名度を得て、実業家としてもその名を轟かせていた
川原ひろし氏
「あの番組、ヤラセじゃなく、本当に自腹で投資したのよ。ボクも最高で２０００万円投資したことがあった。回収できたのは３分の２くらいかな」
絶頂期には年収1億円超を稼ぎ出していたという。
⊿2012年に本店を閉店した現在、事業を縮小しながらもラーメン店を経営している
全盛期には約10店舗まで事業を拡大（フランチャイズ契約含む）するも、現在のライセンス契約店（FC）は3店舗のみ
噂では、億単位の借金を抱えていながらも今年中に新店舗を3店オープンさせる予定だという
▼過激な発言でも話題を集めた”飲食の虎”の現在
「マネーの虎」でおなじみの厳しく、恐い社長、小林敬氏
数々の飲食店をプロデュースしていたことから、飲食の虎として番組に出演していました
小林敬氏
「その顔としゃべり方が、めっちゃ腹立つ。開き直ってるじゃないですか。謙虚になれよ！」
⊿自らの理想だった「食のテーマパーク」が大失敗…自己破産に追い込まれてしまった
2005年に長崎オランダ村の跡地を使った「食」のテーマパーク「キャスビレッジ」をプロデュースし、その親会社CASジャパンの取締役に就任しましたが、その半年後に経営が破綻してしまいました。
「勝ち組経営者」として名を馳せた小林であったが、2005年には長崎で立ち上げたフードテーマパーク事業が破綻
巨額の負債を抱えて倒産し、自己破産して音信不通にて、行方不明。ブログは2011年の時点で、更新はとっくに途絶えている
約20億の負債を背負って自己破産していました。2013年に厨房機器等を販売している企業の取締役商品部統括本部長に就任しましたが、一年後の2014年7月に同社を退任しています。
▼「マネーの虎」最多出演…ホームレスから年商100億越えを達成した虎
ホームレスから年商120億円の社長になった男、堀之内九一郎氏
全国にリサイクルショップ「創庫生活館」を展開。創庫生活館は，ピーク時にはFC加盟店158店舗，直営店32店舗に及んだ
堀之内九一郎氏
「私が出資するのは、決して人助けではありません。出資した人がいつかは成功して、私が困ったときに金を貸してくれるくらいになってほしいと思うからこそ、出資するのです」
“元ホームレス社長”として脚光を浴びた堀之内氏は苦労人だけあって、なかなか出資しないことでも有名でした。
⊿ネットオークションなどの隆盛により業績が悪化…全米進出の夢は潰えてしまった
放送開始から終了まで最多出演した堀之内九一郎氏のリサイクルショップ『生活創庫』は業績が悪化し、２０１３年２月、他社に譲渡されました
負債総額は約45億円だったという。なお、創庫生活館は株式会社リハンズに債務以外をすべて譲渡されたため、従業員の雇用も継続しています。
一時期は「アメリカに進出する」というプランが彼の中はあったようですが、それを達成する前に頓挫してしまいました
▼大震災から”悟り”を開き、マネーの虎の不動産王となった上野氏
阪神大震災ですべて失い、出家したら金の生みだし方を悟ったという不動産会社「ノシアス理想都株式会社グループ」の上野健一社長
出典マネーの虎
上野氏が社長をつとめる不動産会社ＺＫＲは、リタイア後に豊かな暮らしをするとの理念で、全国８０ヶ所にシニア向け別荘などの開発・分譲事業を行っていました
上野健一氏
「休みがないなんて、そんなん当たり前やで！何言ってんの？睡眠時間がとれるだけマシだと思わなきゃ。わしら寝られないなんて当たり前よ」
出資志願者に対しての発言です。
⊿昨年多額の負債を抱え倒産…債権者から「詐欺」との指摘も
不動産開発会社、ＺＫＲが資金繰りに行き詰まり、東京地裁に民事再生法の適用を申請したことが２０１３年８月１９日、分かった
売上高がピークだった頃から、多額の損失を出す案件もあり、２１年８月期決算から債務超過に陥っていたという。
負債総額はグループ３社を合わせて少なくとも１６７億円に上り、平成２５年の大阪府内の倒産としては最大。負債の大部分を顧客からの預かり金が占めており、多くの土地オーナーが損失を被る可能性もある
負債１３６億円のうち、顧客からの預かり金が１０８億円を占めていた。債権者説明会では経営が悪化しているにもかかわらず、個人から預託金を集めていたため詐欺行為にではないかという声も多数あがった。
▼ヤミ金を元手に、一躍飲食業界で成功を収めた安田久氏
闇金から借りた500万円を元手に、エンターテインメントレストランを出店し、一世風靡
安田久氏は一気に成金となりルイビトンで身を包み、人気テレビ番組「マネーの虎」に出演した
安田久氏
「番組には、ジュラルミンケースに2000万円くらいを入れて持って行っていました」
⊿しかしリーマンショックに勝てず自己破産…それでも経営コンサルタントなど精力的に活動を続けている
リーマン・ショックを受けた景気後退局面により、2008年3月期の年売上高約9億6000万円をピークに経営が悪化。約3億6000万円の負債を抱えて2011年6月21日、東京地方裁判所へ自己破産を申請
安田氏のＨＰによると、現在はイベントのプロデューサーなどをやっているようだ
今は著名な経営者たちを講師に迎えて、外食経営者を育てる“外食虎塾”というのをやっています。
▼一方「マネーの虎」出演を機に、自らも”虎”となった男達
番組出演後に「大逆転」ともいえる人生を歩んだのが、姿勢矯正のストレッチ「スポーツストレッチ」の専門店を展開する「スリーエスグループジャパン」の兼子ただし社長
兼子氏は番組出演当時に成田空港への出店プランを提案したものの、あえなく玉砕
⊿今や年商4億を稼ぎ出す”虎”となっていた
だが、いまや「年商４億円、６店舗を展開する」（兼子氏）までに成長している
兼子ただし社長
「お金が欲しかったのではなく、プレゼン内容が評価されなかったことが悔しかった。なぜ～こんないい内容、わかってくれないのか？わからせることがなぜ出来なかったのか？その悔しさから・・・・もっとわかりやすく、目的ハッキリを意識した」
▼出資した社長まで罵倒されたパソコン修理会社だったが…
パソコン救急バスターズはテレビ番組『マネーの虎』から誕生した会社です
「自社ビルを持ちたい」そのように言ったら堀之内社長に「寝言言うな！」と言われました
出典成功報酬５０枚ですマネーの虎で成功した人はいたのでしょうかまたマネ… – Yahoo!知恵袋
⊿開業当時はひどいドタバタぶりを見せるも…現在は”夢”を叶える成功を達成した
『マネーの虎』で訴えて、見事、企業に成功！３人からスタートして一気に成長企業になった
プランの甘さに虎達から罵倒されるも、岩井良昭社長、小林敬社長が開業資金を半分づつ出してマネー成立しました。
今は、フランチャイズ方式も取り入れられて、埼玉県の本社を中心に、全部で８店舗が関東近県にあり、埼玉県大宮には自社ビルまで建っている
マネー成立後の活動を追った放送では、開業当日２０件の目標をたてながら営業成績ゼロ、さらに営業先の家の犬に噛まれるなどさんざんな内容だったため、ネットでは出資した岩井社長らに対し「バカ社長」などと罵声が飛んでいました。ちなみに現在は年商2億を超えているそうです。
▼放送時は「怪しい」などと呼ばれたチヨペットも、今年で11期を迎えています
「マネーの虎」のＮ社長に２時間２０分も「ダメ出し」された
ペットを癒す水ということで他の社長は疑いを隠していませんでしたが、志願者の頑張りから岩井社長が投資を決意
「マネーの虎」出演後は現在はモノリスが取引先でテレビ東京の「ポチタマ」でも紹介されている
▼「お客様が全て」という理念に反発した”虎”と、共感した”虎”
「当時44歳無職の男」改め、イタリアンレストラン「ラ・パットーラ」オーナー兼社長・立花洋氏（55）
世界一のパスタレストランを出したい、利益重視ではなくお客様の満足重視をしたいというのに堀之内社長、安田社長が呆れてしまいます
堀之内社長と安田社長は、理想を語る立花氏に「それじゃあ、商売は成り立たない」「立場が変われば人は変わる」と、諭していました。
安田久氏
「希望者は外食系で、『お客様が大事で、利益は度外視』と説明したんですが、僕は『最初にカネありきが当たり前』と言ったんです」
それでも「世界一、お客様のことを考えることのできるレストランをつくります」と発言した立花氏に対し、株式会社ひばりプロダクション・加藤和也社長が980万円全額投資しました。
⊿”利益よりお客様”という理念が、”外食の虎”の常識を打ち破った
現在4店舗を出店している立花氏。近々5店舗目の主点も検討しているという。
外食チェーンを営んでいた安田久氏から、『儲からない』と断言されたパスタ屋はその後、4店舗を出店するまでに業務を拡大
「ラ・パットーラ」オーナー兼社長・立花洋氏
「従業員には、自分の好きなことを高めなさいと言っている。僕は接客で120点。店長は料理で誰にも負けないよう120点をとりなさいと」
現在、料理を提供するのは店長。立花氏は接客メインだという。
出資した加藤和也社長
「立花さんへの投資は、開始5分で決めてました。飲食サービスでの経験値も高い人だし、何より話し方から『実直さ』が伝わってきました。この人はチャンスがあればできる方、そう思いました」
ちなみに投資金は全て完済し終わっているそうです。
安田久氏
「あの時は、『こんなの失敗するよ』と思ったんだけど、10年経ってみると『彼の言っていることは正しかったなぁ』と思うところもあります」
