イラクサ科の植物「ギンピーギンピー」。一風可愛いらしいその名の植物は触ると人々に無慈悲の痛みを与える。触れた人間が痛みに耐え切れず死亡した事例も存在する。ギンピー・ギンピーを画像と共にまとめてみました。
主に毒を含んだ種類が多い「イラクサ科」の植物
世界中におよそ54属2600種があり、日本には12属約40種が産する。イラクサ属、イラノキ属などは葉や茎に毒を含んだ刺毛を有し、人や動物が触れると刺さって痛みや蕁麻疹を起こさせることで知られる。
イラクサの学名も「urtica」で、「焼く」という語源があり、これも、イラクサを触った時のヒスタミンの毒による、「焼けるような痛み」から付いた名前です。
その中でも最恐の植物「ギンピー・ギンピー」
ギンピーギンピーの主な生息地は、オーストラリア北西部、インドネシア、モルッカ諸島の熱帯雨林内で、1~2mの高さまで成長する。
オーストラリア北東部に分布する、イラクサ科の草本。学名はデンドロクニド・モロイデス。
その理由は触ると猛烈な痛みが生じるため
オーストラリアなどに生える Dendrocnide属の植物には、猛毒の細かいトゲ(毛)が生えている植物が4種あります。その中で、ギンピーギンピーやスティンガーと呼ばれる植物、その痛みの強烈さで知られています。
全体が神経毒を有する微小なトゲに覆われており、触れると耐え難い痛みが数か月にわたって生じるといわれている。
その痛みはどれほどなのか?
トゲに毒があり”酸をスプレーされたような”痛みを伴う。
痛みは一瞬ですが、刺されてから20~30分以内にどんどんひどくなります。一度痛みが引くと簡単にすぐ戻ってくるのです。しかも二回目のほうがより痛いのだとか。サディスティックですね。
持続性もやば過ぎる…。
触れるとまるで酸をかけられたような激しい痛みを感じますが、最悪なのは それが2年も続く事。
これは接触した部分に送り込まれた毒針に毒が残るためだといわれている。ある研究者はその毒が20年以上も留まり続けること発見した。
痛みに耐え切れず死亡した事例も…。
低木の茂みの中で誤ってこの植物の葉をトイレットペーパー代わりに使った後、銃で自殺した事例がある。
触れると耐え難い痛みが数か月にわたって生じるといわれている。ヒトやウマ、イヌなどの死亡例があり、最悪の毒草などと称されることもある。
健康な人であってもアナフィラキシー・ショックが誘発されるかもしれないという理由から、オーストラリアの森林局はこの植物がはびこっている場所にいる伐採作業員に、最高グレードの危険物用防御服の着用を義務付けている。
痛みを発生させる仕組みは?
一見無害そうだけど、その幹を除いて根っこから葉っぱまでが全部触れると毒を出す毛におおわれています。とても敏感なので、どれだけ優しく触っても無駄です。
ギンピーギンピーの葉の表面には細かい神経毒を有する棘がある。その毒の刺はシリカ・グラスファイバーの様に細かくギンピーギンピーの葉に軽く触れただけで接触部は帯状疱疹のようになり、酸をかけられた様な激しい痛みに襲われるのだ。
ギンピーギンピーの毒の威力を知るには、ハート型の葉にほんの少し触れるだけで十分で、葉の表面にある毛のようなものが皮膚に刺さり、そこからモロイジンと呼ばれる毒素を体中に放出する。
殺人的な痛みに軍事利用が検討された事も…?
イギリスの軍隊は、ギンピーギンピーの毒性に興味を持ち、これを戦闘に活かせないかと模索していたとか、いないとか…。
しかし毒性を受けない者たちもいる。
この植物と同じ土地にいる鳥やカエル、哺乳類などはこの毒の影響を受けないようです。痛い思いをするのはこの植物にとってまだ目新しい犬や馬や人間だそうで、影響を受けない奴らは耐性があるのか、ギンピーギンピーが敵と認識してないのかどっちなんでしょうね。