かつては日本のライブ配信サービス業界を席巻した「ニコニコ
生放送」。しかし、近年は衰退(すいたい)の一途(いっと)をたどっている。人気放
送主（生主）たちは、他社サービスへ続々(ぞくぞく)と流出し、業界は戦
国時代を迎(むか)えているのだ。
有料会員が1年間で38万人も減少
ユーザー離(ばな)れが止まらないニコニコ生放送（ニコ生）のトップ
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ユーザー離(ばな)れが止まらないニコニコ生放送（ニコ生）。その背
景には、スマホ対応の遅(おく)れや、放送主（生主）が稼(かせ)げないな
ど、さまざまな問題があった
2007年のサービス開始以来、その革新性が人々(ひとびと)の心をつか
み、すさまじい勢いでユーザーが増えていった「ニコ生」。
ニコ生とは、ドワンゴが運営するライブ配信サービス。「生
主」と呼ばれる配信者が雑談やゲーム実況(じっきょう)、演奏などを放送
し、それに対して視聴者(しちょうしゃ)がコメントを打ち込(こ)むと、放送画面上
にリアルタイムで文字が字幕のように流れるというものだ。
今年2月、ドワンゴの親会社・カドカワは、ニコ生（ニコ動）
の有料会員数が、17年12月時点で214万人だったと発表した。1
年前の16年12月時点では252万人なので、実に38万人の減少だ。
ユーザーのニコ生離(せいばな)れは止まらず、今や一部のネット民から
は、「まだニコ生なんかやってんの？」と嘲笑(ちょうしょう)の対象にされて
しまっている現実もあるようだ。
形勢不利なニコ生に対して、ライブ配信業界は、「YouTube
Live」「ツイキャス」「LINE LIVE」「FRESH！」「ふわっち」
「SHOWROOM」「OPENREC.tv」などが勢いを増しており、さらに
は韓国(かんこく)の「アフリカTV」、台湾(たいわん)の「17 Live」、中国の
「Live.me」といった海外勢も攻勢(こうせい)を強めている。
かつて盛況(せいきょう)を極めたニコ生がなぜこのような状況(じょうきょう)に陥(おちい)ってし
まったのだろうか。その原因を検証してみよう。
