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「日本漫画のルーツは鳥獣戯画」って誰が言い出したの?

マンガ

大正時代に出版された漫画史研究書「日本漫画史」の中にヒントがありました

鳥獣戯画―国宝絵巻 (双書美術の泉 6)

鳥獣人物戯画 全4巻

12世紀 – 13世紀
作者には戯画の名手として伝えられる鳥羽僧正覚猷(とばそうじょう かくゆう)が擬されてきたが、それを示す資料はない。

鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)は、京都市右京区の高山寺に伝わる紙本墨画の絵巻物。国宝。鳥獣戯画とも呼ばれる。

出典鳥獣人物戯画 – Wikipedia

内容は当時の世相を反映して動物や人物を戯画的に描いたもので、鳴呼絵(おこえ)に始まる戯画の集大成といえる。特にウサギ・カエル・サルなどが擬人化して描かれた甲巻が非常に有名である。

一部の場面には現在の漫画に用いられている効果に類似した手法が見られることもあって、「日本最古の漫画」とも称される。

出典鳥獣人物戯画 – Wikipedia

現在は甲・丙巻が東京国立博物館、乙・丁巻が京都国立博物館に寄託保管されている。

十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの

アニメーション監督の眼が明かす、平安時代の絵巻物「信貴山縁起絵巻」「伴大納言絵詞」「鳥獣人物戯画」などの驚くべき動きの魔術。さまざまな奇想、遊び、動きにあふれる伝統絵画に現在の日本アニメの隆盛のルーツをさぐる。

高畑勲監督は、本書の巻頭文で「日本人はなぜ、マンガやアニメが好きなのか」という巨大な疑問に対する回答を試みている。海外を訪れる度に聞かれるこの質問に、監督は「中世の絵巻物以来の伝統だ」と応えて来たと言う。

大正時代に出版された漫画史研究書「日本漫画史」

この本の中にヒントがありました。

「日本漫画史」では日本の漫画の歴史は、鳥獣戯画の作者とされる鳥羽僧正から始まっています。

どうやら、鳥羽僧正を元祖漫画家とする見方を広めたのは、この本の著者の細木原青起さん(本人も漫画家だった)のようです。

先づ日本の漫画家の嚆矢は彼の鳥羽僧正である。僧正を漫画家とし、其遺作を漫画と称することに於いて不都合であるかも知れない。併し其実体が今日いう漫画と共通して居るのだから仕方がない。

只僧正の書は純正美術家が第一義とする美の表現が非常に豊富で甚だ深遠なることだ。夫れと共に漫画家が第一義とする実相穿機も豊富で且つ深甚であることが美と平等に表現されて居ることだ。

是れに依って僧正は一大美術家であると共に一大漫画家だ。だから其一方を取って漫画家の名を冠しても差支は無論ないことになるから不都合でもあるまい。

昭和25年に出た、松山文雄「漫画学校」には「鳥羽僧上は日本漫画の元祖だと言われているくらい有名な坊さんです」とあります。この頃には既に定説になっていたみたい。

日本最古の「落書き」は鳥獣戯画より600年古い

法隆寺で見つかった1400年前の落書き

法隆寺は聖徳太子が建設した世界最古の木造建築物ですが、昭和20年(1945年)の改修工事のときに、金堂の天井の桟(さん。横木のこと)を取り外したときに落書きが見つかりました。

ほかにも法隆寺は五重塔の天井裏や阿弥陀如来像の仏像の台座の下などからも無数の落書きが発見されています。

これらの落書きは、法隆寺の建設中に大工さんが描いたものだと考えられています。

☆漫画風の落書きは鳥獣戯画以前からあったようですが、細木原青起さんの見方によれば、「鳥獣戯画」には実相穿機、つまり風刺があるから「日本漫画の元祖」なんですね。手塚治虫さんも「マンガの描き方」のQ&Aで漫画の本質を訊ねられて「風刺です」と即答していました。



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