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アニメ業界、超絶ブラック!平均年収110万円、1日の労働時間11時間で休日は月4日

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日本のアニメ業界、超絶ブラックだった 市場規模2兆円なのに平均年収110万円、1日の労働時間11時間で休日は月4日

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「過労死ライン」をはるかに上回る

「マッドハウス」は、1972年に設立されたアニメ制作会社で、社員数は約70人。現在は日本テレビが株式(かぶしき)の95%を保有する。今期のTVアニメでは「ダイヤのA act II」、「消滅都市(しょうめつとし)」などを制作している。

Aさんは、そんなマッドハウスで制作進行の職にある。Aさん本人が説明する。

「私(わたし)の仕事は、TVアニメ1話数におけるスケジュールやスタッフ、素材などを管理することです。放送時間30分のTVアニメならば、1話がおよそ300カットから成り立っています。絵コンテが上がってからフリーランスの原画マンに営業をかけ、15~20人ほど集めるところから始まり、その後の原画の回収(かいしゅう)や演出、作画監督(さくがかんとく)によるチェック、背景画(はいけいが)や動画、仕上げ、撮影(さつえい)などの作業をそれぞれ担当(たんとう)の会社へ発注・手配します。そうやって進捗状況(しんちょくじょうきょう)を確認(かくにん)しながら、制作プロセスをすべて一人で管理します。

アニメ『SHIROBAKO』で主人公の宮森あおいが務めていた役職といえば、ファンの方にはわかりやすいかもしれません。

アニメ1話の制作にかかる期間はおよそ3カ月。4~5人の制作進行が、1クールでそれぞれ2~3話ずつ分担(ぶんたん)することになります。繁閑(はんかん)の差が激(はげ)しいですが、マックスのときは1カ月の総労働時間が393時間に及(およ)びました」

つまり、残業時間としては220時間ほど。国が「過労死ライン」として定めている基準は1カ月間の時間外労働80~100時間なので、それをはるかに上回る“ブラック”な状況(じょうきょう)といえる。

ある朝、道路上でぶっ倒(たお)れてしまった

そして、激務(げきむ)の最中、ついにAさんが病院に運び込(こ)まれるという出来事まであった。

「後半話数の担当(たんとう)をしていたのですが、アニメの設計図に当たる『絵コンテ』ができあがったのが放送日の1カ月前。そこから本編制作が始まりますので、通常3カ月のスケジュールを1カ月間でこなさなければいけない。スタート直後の1話目、2話目ぐらいは余裕(よゆう)を持って作れるんですが、徐々(じょじょ)に後半話数にしわ寄せがいって、最後はもう総力戦です。家には風呂(ふろ)に入りにいくだけ、会社で3日間寝泊(にっかんねと)まりする。そんな日々(ひび)が続きます。

ある朝、7時ぐらいにアパートへ帰ろうとしたところ、空腹(くうふく)と疲労(ひろう)と眠気(ねむけ)が重なって、あまりにやることが多すぎて頭が混乱(こんらん)している状態でもあり、道路上でぶっ倒(たお)れてしまいました。たまたま自転車で通りかかった警察官(けいさつかん)が救急車を呼(よ)んでくれて、病院に担(かつ)ぎ込(こ)まれたのですが……。すぐに目を覚ましたものの、『過労ですね』ということで点滴(てんてき)を打たれて、救急車代1万円を支払(しはら)うとそのまま帰されてしまったんです。さすがに『1日ぐらい入院させてくれないのかなぁ』と恨(うら)めしく思いましたよ」

Aさんが帰宅後(きたくご)に会社に電話をすると、「じゃあ、今日は1日休んでください」と言われた。放送の1週間前に倒(たお)れたので、残りは5日間。Aさんは、翌日(よくじつ)から再び出社して働いた。

「こうした滅茶苦茶(めちゃくちゃ)な状況下(じょうきょうか)でも、最終工程の『ラッシュ(試写)』で監督(かんとく)は容赦(ようしゃ)なく作画リテイクの指示を出し、プロデューサーもクオリティ維持(いじ)のため、それを容認(ようにん)します。『これじゃ帰れない。我々(われわれ)を殺す気か……』とも思いますが、命令である以上、制作進行と社内スタッフが納品直前(のうひんちょくぜん)まで不眠不休(ふみんふきゅう)でリテイク作業を行い、『作画崩壊(さくがほうかい)』とは言われない水準まで映像(えいぞう)を直して、放送を迎(むか)えます。そうして『今回もなんとかなったんだから、これからも大丈夫(だいじょうぶ)だろう』と上層部(じょうそうぶ)に勘違(かんちが)いされて、現場が一向に改善(かいぜん)されないのがシャクですね」
「定額働かせ放題」で300万円の未払(みばら)い残業代

その後、Aさんは心療内科(しんりょうないか)で「心因反応」と診断(しんだん)される。治療(ちりょう)を受けて、仕事をしながら約2カ月間にわたって薬を飲み続けた。なんとか回復後、ブラック企業(きぎょう)ユニオンに加盟(かめい)。団体交渉(だんたいこうしょう)の準備を進めると同時に、ユニオンのサポートを受けながら、新宿労働基準監督署(しんじゅくろうどうきじゅんかんとくしょ)へ実名申告をした。

そこまで身を削(けず)りながらも、Aさんの手取り給料は19万円ほどだという。時給に換算(かんさん)すると最低賃金(さいていちんぎん)を下回るレベルだ。ブラック企業(きぎょう)ユニオンの坂倉氏が語る。

「マッドハウスは『時間外労働手当と深夜労働手当として、それぞれ50時間分の固定残業代を支払(しはら)っている』としているようですが、50時間を超(こ)えて残業しても、残業代は1円も増えません。『定額働かせ放題』です。そもそも『固定残業代』について、入社前の説明は一切ありませんでした。計算すると300万円の未払(みばら)い残業代が発生していると考えられます」



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