最近では海外の漫画が日本語版に翻訳されて連載されたりしています。また本国で漫画家としての活動を開始した後、日本でもデビューを果たして日本の漫画雑誌で連載している外国出身の漫画家もいます。そこで外国出身の漫画家が描いた漫画を集めてみました。
▼独特の世界観で描かれるファンタジック・ラブストーリー
作者:榎宮祐(ブラジル出身)
『MELTY BLOODアンソロジー VOL3』にカラーイラストと漫画が掲載されて商業デビューを果たした。
人が生まれるはるか前から存在している妖精(エアリセ)は“愛されると死んでしまう”生き物だった。
妖精(エアリセ)は人に幸せをもたらしてその傍らで微笑んでいたというが、その中で関わった人すべてを不幸にする妖精(エアリセ)がいたのだった。
うさみみ萌え属性を存分に刺激する萌え力に謎めいた設定が面白い
ストーリー展開や絵柄に荒さはあるが、作者のキャラクターに対する優しさみたいなものが滲み出ている気がする。独特の世界観もいいが、個人的には登場人物達が出している雰囲気が好きな作品
主人公の重い過去設定も相まって、見せ場で語るシーンが非常に格好良い。 格好いいセリフにはちょっとニヤッとくる面白さがあります
▼圧倒的な画力で描かれるコリアン・ロック・アクション
作者:Boichi(韓国出身)
2004年に日本の成年漫画誌「コミック阿吽」にて『La Parisienne』が掲載されて日本でのデビューを果たした。
北野堅は同級生の吉沢祐美に恋をして告白する。
しかし、祐美に「実は私は韓国人で韓国で警官になる」と明かされてフラれてしまった。
それから韓国で警官になった祐美をテレビで観た堅は自分も韓国に渡ったのだった。
韓国社会の描写、絵の巧さ、アクションの迫力が秀逸。そして真剣勝負の最中にも、3頭身キャラのデフォルメギャグ的なオチが入るのがなかなか斬新で、アクセントになっていて面白い
抜群に絵は上手いし、迫力ある描写、韓国の食や文化、社会問題も多少知れるので、非常に面白い
作画力も凄く、画風も独特で魅力的、ギャグやお色気など肩の力を抜けるところもあり、極めて王道路線で、エンターテイメント性に富んだ、優れた作品だと思います
▼悪魔が弁護士?
原作:尹仁完(韓国出身) 作画:梁慶一(韓国出身)
尹仁完は韓国の漫画雑誌『週刊少年チャンプ』にて「deja-vu」で原作者デビューを果たし、活動の拠点を日本に移した。
梁慶一は「死霊狩り」(原作:平井和正)にて日本でのデビューを果たす。
一人の若者・トムはある日、地獄の入口「イベントホライズン」に迷い込む。
トムはバイクで通りすがりの人を殴り、トラックに轢かれて30分前に死んだばかりだった。
トムは罪人として地獄に送られるはずだったが、「地獄の弁護士」を名乗る悪魔・クカバラが現れて自分と契約を結べば死神から守ってやると言うのだった。
人間に対して弁護をする悪魔という設定が面白い!
バトル漫画的でありながら、警察や検察側ではなく、弁護士を名乗る点が新しい。推定無罪という近代国家の刑事司法の理念を物語に活かしている
▼マグメルが舞台のファンタジー漫画
作者:第年秒(中国出身)
漫画雑誌『卡通王』にて短編「苞」でデビューした後、様々な作品を発表する。
その後、『少年ジャンプ+』にて「5秒童話」の日本語版が掲載。
世界の中心に突如として現れた新大陸マグメル。
マグメルには未知なる生物や資源が眠っており。聖暦35年、探険家たちの遭難が相次いでいた。
そんな中、少年・ヨウは、探険家たちの救助を生業としていた。
適度な絶望感と頭を使った戦いで良かったです
テンポが良くて読みやすいし、ギャグも面白い!!
冒険と戦闘シーンは迫力ある描写ですし、ストーリーもちゃんと作り込まれています!
▼時間を喰らう悪魔と戦う時間操作系スタイリッシュアクション
作者:彭傑(台湾出身)
『週刊少年ジャンプ』にて「KIBA&KIBA」(原作:稲垣理一郎)で日本でのデビューを果たした。
悪魔「計」は後悔する過去をやり直せると見せかけ、人々の時間を飲み込んだ。
兄を亡くしたうえに計に標的にされてしまった少女はヴィクトと霧と名乗る二人の「時間の支配者」と出会った。
過去の何かを取り戻す為に旅に出るという設定の漫画は大好物です
主人公はお調子者とマジメ人間、という基本の組み合わせだけれど、キャラ設定もちゃんとしていて面白いし、なんといってもこの関係性が意外だった
▼漫画家に憧れる北欧女子の青春恋愛漫画
作者:オーサ・イェークストロム(スウェーデン出身)
『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』で日本でのデビューを果たした。
北欧女子のアレックスは日本の漫画家に憧れており、マンガ専門学校への入学を決めたのだった。
同性愛あり、自傷行為あり、サイコ展開あり。読みごたえが凄い。。。
描き方がとても「日本の少女漫画スタイル」に近くてすごいです。ストーリーのテーマは、割と重めな気配
しれっと過激な表現が入っていて、そこをあえて強調しないかんじがこの世界観なのかな、と。日本の描き手さんだと「そう描かないだろうなぁ」という不思議な部分が面白いです。とくにユニークな擬音がくせになってしまいました