正直者が馬鹿を見ないために
小中学生に、「おじちゃん、おばちゃん(あるいは、お姉ちゃん、お兄ちゃん)、なんで自殺しちゃいけないの?」と聞かれたら、自殺はいけないということを、あなたは、どのように正当化するでしょうか。
道徳的にいけないということを証明できる人はいますか?
これはできないと思います。なぜかというと、もし私が、言い方は別として「だめだよ、そんなの」と言ったとします。そうしたら、ちょっと頭のいい子は「だって、校長先生、大人は1年で3万3千人も自殺してるでしょう? もしそれは道徳的に悪いと校長先生が言うんだったら、この3万3千人の人たちって、みんな悪い人なの?」と言うかもしれません。どう答えられるでしょうか。
道徳的に悪いから自殺しているわけはない
悪いわけはないんです。ほんとうに悪い奴らはおそらく他にいて、いまも生き残っています。この半分ぐらいの人は、そういう奴らに騙されちゃったり、押し切られちゃったりした被害者かもしれないですよね。
自殺に「道徳」を説くのは「必要ない」どころか、とてもまずい逆効果になってしまう。
誰よりも道徳的な人間が自殺に追い込まれる
たとえば「命の尊さ」を説くことにおける有害な側面
いじめの自殺は自分をいじめた敵に対する「報復としての自爆攻撃」だ。そして、なぜ自殺が「攻撃」になるのかといえば、自分をいじめた相手に「大切な命」を失わせたという負債(傷)を負わせることになるからだ。
こう考えれば、いじめ自殺をやめさせるため「命の大切さ」を力説する、なんてことがいかに的外れのマヌケな行為かわかるだろう。「命の大切さ」を声高に叫ぶほど、それによって「命の価値」が上昇すればするほど、自殺に追い込んだ側の負債は増す。つまり復讐としての自殺は、より攻撃力がアップして効果的になるんだ。
やたらと「命の大切さ」なんてことをわめき散らすもんだから「命の価値」という架空の相場が高騰して、自殺しようとする子にとって「死ぬなら今だ」みたいな馬鹿げた状況になってしまった。
いじめ自殺の連鎖を引き起こしたのは完全に彼らの責任だろう。
メサイア コンプレックス
自殺反対の説教たれる奴はメサイア・コンプレックスを満足させたいだけの変態である。
もちろん引用は極端だが、該当するケースは少なくないと思う。
それでも「自殺すべきではない」 精神医学の観点から
精神障害は自殺に密接に関連している主要な要因である。
90%が自殺時に精神障害の状態にあり,最多はうつ病である。
なぜ自殺がいけないかと言えば、「自殺したい」という気持ちは本来、客観性が乏しいからだ。患者本人の「主観」ということだ。しかし、本人はそれを洞察できない。体の倦怠感、抑うつ気分、悲観、厭世観から自殺企図が起こる。そのような精神症状により、幻惑されて自殺しようかと考える。もし鬱がよくなり、そういった厭世観が消えてしまえば、自殺するなんて思わない。
だから精神状態が悪い時に自殺すべきでないのは当然だ。
自殺のことしか考えなかったような人が治療を受け回復し、数ヶ月後にホームページを立ち上げ、ネット販売を始めるなんてことすらあるので、いかにその主観があてにならないかわかる。