疲労の正体は乳酸!?
よく聞くのが、
乳酸=疲れの原因 という理論ですね。
テレビとか見ててもそう語る人はいますし、スポーツしてる人の中でも「くぅー乳酸が溜まってきたァァ(恍惚)」なんていう人もいます。
実際、疲労の原因は乳酸だと研究者の間でも言われ続けてきましたし、そう思うのも不思議なことではありません。
そう、昔はね。
割と最近はこの説が間違っていて、実は乳酸は運動中のエネルギーになってくれるカラダにとっていいヤツだったことが分かりました。
カワイソウ、乳酸。
うちはイタチ大先生みたいな扱いを長年されてきました。
疲労・真の姿
では、乳酸の影に隠れて悪さを働いていた疲労の正体は!?
本当の疲労の原因はFF(ファティーグ・ファクター)と呼ばれるタンパク質の一種であるそうです。
FFが過度に溜まると
・細胞死を誘発して、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高める
・ヒトヘルペスウイルスが増えて、ヘルペスにかかる
ということが近年分かったのです。
しかもこのFFの恐ろしいのは、体に沢山蓄積してるのに脳ミソを騙して気づかせなくする場合があること。
仕事のやりがい、使命感、一時の莫大な報酬などによって脳が幸福を感じると、FFの蓄積による疲労信号を無視して働けるようにしてしまうんです。
過労死というのはまさにこのFF信号が無視されて働き続けてしまった場合に起きる異常事態。
恐ろしすぎますね…!
「やりがいのある激務」で日々追い込まれてる人は知らないうちにFFが溜まっているかも知れません。
FFはどうやって発生するのか
このFFは自律神経に負担がかかった時に発生します。
自律神経は人間の恒常性を保つ司令塔のような存在。
例をあげると、緊張したり激しい運動をした時って脈が上がりますよね?この時、自律神経が「脈を元の状態に戻せ!」と指令を出します。すると、「ヘイヘイ!」と指令に従って活性酸素という部下が大量に投入されます。
この活性酸素は体にとって大切な働きをするのですが、とても仕事が雑なので大量に発生してしまうと周りにある細胞を壊してしまうのです。この時に生み出されるのがFFです。
このFFが細胞死を促進させようとするなら、自律神経は慌ててストップをかけなくてはいけません。ですので体や脳みそに指示してダルさや倦怠感を感じさせます。
これが疲労の正体というわけです。
疲労物質と闘う勇者の育て方
でも、ちゃんとこの恐ろしいFFを打ち払ってくれる勇者のような存在がいます。それがFR(ファティーグ・リカバリー・ファクター)です。FFが発生すると、FRも活動をするようになっているのです。人間って本当にうまくできてますよね。
ですのでこのFRを効率よく働かせるようにすることが疲れにくいカラダ、疲れがすぐ取れるカラダになる秘訣なわけです。
うまく働かせるためには
1.軽強度の運動をする
2.入浴する
3.イミダゾールジペプチドの多い食品を食べる
4.しっかり睡眠をとる
の4点が非常に効果的です。
軽強度の運動をする
ここで大切なのは軽強度のものを行うこと。無理なく運動できるもの、脈拍が大きく変動しないものが軽強度にあたります。
簡単なウォーキングやエクササイズ、ストレッチ、負荷の低い筋トレなどを行い、休息をとることでFF以上に大量のFRが発生しますので、実は疲労を回復してくれるんです。
逆に高強度の運動(ランニングやウェイトトレーニング、バスケットやサッカーなど)はFR以上のFFが発生するので、その他の方法でFRをしっかり発生させる必要があります。
入浴する
お風呂に入ると疲れが取れる、というのも正しいよう。41度くらいのぬるいお湯につかっている時にFRが多く発生するそうです。
あつーい風呂が好き!という人もいるかもしれませんが、疲労回復という意味ではあまりおすすめできません。ハードに過ごした時は少しぬるいくらいのお湯につかることを推奨します。
イミダゾールジペプチドの多い食品を食べる
細かい点は今回割愛しますが、動き回る生物に多く含まれる成分で、FRを作る原料となるのがイミダゾールジペプチド(イミダペプチド)です。
鶏むね、ささみ、マグロ、カツオ、クジラなどに多く含まれています。水溶性のアミノ酸なので、煮込み料理にして食べると無駄なく摂取することが出来ます。とはいえ食品は何でも摂りすぎはかえって不健康になるので、適量を摂取してくださいね。
しっかり睡眠をとる
やはり王道は睡眠をしっかりとることです。
睡眠については当サイトでも紹介していますので、まだ読まれてない方はこちらから記事を読んでみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。全然疲れていない、という人も実は知らず知らずのうちにFFが蓄積しているかもしれません。
規則正しい健康的な生活が疲労にもっとも効果があるので、自分のパフォーマンスを上げるためにも、みなさん一度生活を見直してみてくださいね。