Firefoxの互換性チェック機能を簡単に無効化し、非対応バージョンのFirefoxにアドオンを入れる方法をまとめました。バージョン43以降の非署名アドオン自動無効化や、Quantum(バージョン57)についても。
Firefoxのバージョンが上がって愛用していたアドオンが使えなくなった、もしくは古いアドオンを使いたいが今のFirefoxには対応していない、どうしたら使える?
Firefoxをバージョンアップしたら「(アドオン名)はFirefox ** と互換性がありません。」という警告をご覧になったことがある方は多いと思います。
これはFirefoxにアドオンの互換性チェック機能があるため、非対応バージョンのアドオンは強制的に無効化されたりインストールが不可能になったりするためです。
その互換性チェックを無効化するアドオンがいくつか存在しますが、実はそうしたアドオンを導入することなく互換性チェックを無効化し強制インストール・有効化することが可能なのです。
※あくまで使えるようにするだけですので、Firefoxが正常に使えなくなったり脆弱性などのリスクを孕んでいる点は理解しておく必要があります。
どうしたら互換性を無効化できる?
無効化する方法はいくつか存在しますが今回は3パターン紹介します。
about:config の extensions.minCompatibleAppVersion の設定値を初期値の4.0から0へ変更すると互換性チェックが永続的に無効化されるようになります。
ただし設定上だけでなく本当にアドオンの互換性が無くなった場合、ブラウザの挙動が著しくおかしくなる可能性もあるので注意。
about:config に
真偽値で extensions.checkCompatibility.XX を追加し値をfalseにすると、XX の部分に対応するFirefoxのバージョンの互換性が無効化されるようになります(画像ではバージョン15)。
なおデフォルトではこの項目は存在しないので自分で追加する必要があります。
一つ一つ追加する必要はありますが、1の方法に比べ互換性チェックが可能なので比較的安全な方法です。
アドオンの互換バージョンはアドオン内部にあるinstall.rdfというファイルで設定されています。
なのでこれを書き換えればアドオンの対応バージョンを自由に設定できます。
(画像は Video DownloadHelper の設定です)
※比較的高リスク、アドオンを更新するか入れ直せば元に戻ります。
STEP:1
まずアドオンをダウンロードします。
アドオンページの [+ Firefox へ追加] ボタンを右クリックしてリンク先を保存します。
STEP:2
ダウンロードしたxpiファイルの拡張子をzipに変更し解凍します。
xpiファイルは実はただのzipファイルなので解凍が可能です。
STEP:3
解凍したフォルダ内にある install.rdf ファイルをテキストエディタで開きます。
そして<em:minVersion>XX</em:minVersion>と<em:maxVersion>XX</em:maxVersion>のXXの部分を任意のバージョンへ書き換えます、これで対応バージョンの最小値と最大値が変更されます(画像の赤線部分)。
※この時変更している箇所がFirefoxの設定かどうか、ちゃんと確認して下さい。
STEP:4
解凍したファイルを再度zipアーカイブへ圧縮し拡張子をxpiへリネームします。
これで対応バージョンの変更されたアドオンの完成です。
互換性を無効化するアドオン
無効化する方法を3つ書きましたが、互換性を無効化するアドオンも存在します。
about:config に extensions.checkCompatibility.XX が追加され自動で有効化されるアドオンです。
バージョン43で古いアドオンや野良アドオンなどの非署名アドオンが自動的に無効化されるのを防ぎたい
[アドオン名] は Firefox での使用が検証できないため無効化されています。
という警告がバージョン43から表示されるようになりました。
これはMozillaによって署名されていない”非署名アドオン”が、セキュリティ上の観点から自動的に無効化されるようになったためです。
Mozilla は、ユーザの個人情報が盗まれたり操作されないように、アドオンがガイドラインに沿っているか検証し、”署名” しています。addons.mozilla.org で提供されているすべてのアドオンは、このレビュープロセスを経て検証、署名されています。
Firefox は、Mozilla によって電子署名、検証されていないサードパーティのアドオンをブロックすることで、マルウェアやハイジャックからユーザを保護します。
自動無効化を停止する方法。
●:about:config の[xpinstall.signatures.required]の設定値を false にすると無効化を停止できます。
●:前述の Configuration Mania の[アドオンの署名チェックをしない]にチェックを入れる。
●:Cyberfoxなど、無効化を行わない互換ブラウザに乗り換える。
非署名アドオンは、無効化を停止してもバージョン48でインストール不可&使用不能に
バージョン48から前述の対策をしていても非署名アドオンはインストール不可になり、既にインストールしている物も無効化されるようになりました。
非署名アドオンを使用したい場合は、Cyberfoxなど無効化を行わない互換ブラウザを使用するか、ESR版で前述の対策を行えば利用可能になります。
※ESR版の対策は45.x系サイクルまでで、52.x系サイクルでは使用できなくなります。
公式に署名してもらう場合
バージョン57から旧来のアドオン(レガシーアドオン)は使用不可に
Mozillaは23日、公式ブログ“Mozilla Add-ons Blog”で、2017年末までにデスクトップ版「Firefox」のアドオンをすべて“WebExtensions”ベースのものへ移行させる方針を明らかにした。
“WebExtensions”ベースではないレガシーアドオンは、「Firefox 57」以降利用できなくなる。
Waterfoxはレガシーアドオンへの対応を継続していくようです。
派生版のPale moonもアドオンの互換性を維持していくようなので、こちらへの乗り換えも選択肢となります。
※ただしレンダリングエンジンがGeckoからフォークしたGoannaなので一部アドオンの挙動が保証されていません。
Basilisk web browser
Pale Moonの開発元であるMC Straverが作成した別のブラウザ、ベースはFirefox 55。
エンジンはPale Moonと同じGoannaであるが、インターフェースがバージョン56相当の物になっている。
ただし永久β版の扱いなので、バグや欠陥などが含まれている場合がある。
レガシーアドオンをサポートする最後の「Firefox」である「Firefox 52 ESR」が、9月5日にサポート終了を迎える。これに伴い、アドオンのライブラリサイト“addons.mozilla.org(AMO)”でもレガシーアドオンが無効化される。