小説についてですが、僕は海外の小説しか読んだことがありません。
最近になって、日本の小説にも手を出してみようと思い始めました。そこで、まずは19世紀から20世紀ごろに文豪と呼ばれた人たちの小説を読んでみたいと思いました。夏目漱石や芥川龍之介みたいな感じの人たちです。なにかおすすめはありますでしょうか。どんな分野の作品でも構いません。とにかくたくさん教えてほしいです。
小説についてですが、僕は海外の小説しか読んだことがありません。
最近になって、日本の小説にも手を出してみようと思い始めました。そこで、まずは19世紀から20世紀ごろに文豪と呼ばれた人たちの小説を読んでみたいと思いました。夏目漱石や芥川龍之介みたいな感じの人たちです。なにかおすすめはありますでしょうか。どんな分野の作品でも構いません。とにかくたくさん教えてほしいです。
明治・大正・昭和にかけて活躍した文豪や重要な作家の名作を挙げてみます。
まず、おすすめを少し挙げてみます。
夏目漱石『こころ』、森鷗外『山椒大夫』、泉鏡花『高野聖』、谷崎潤一郎『春琴抄』、武者小路実篤『友情』、芥川龍之介『地獄変』、中島敦『弟子』、下村湖人『論語物語』、石川淳『紫苑物語』、大岡昇平『野火』、三島由紀夫『金閣寺』。
以下に、もっとたくさん挙げてみます。
◆夏目漱石
まず対照的な2作品である『坊っちゃん』と『こころ』をすすめます。次いで『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』『道草』『明暗』『吾輩は猫である』『草枕』など。そのほか、講演、随筆、漢詩などもおすすめ。リンク先で、より詳しく紹介しました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14227785499?fr=and_other
◆森鷗外
まず『高瀬舟』と『山椒大夫』をお読みください。簡潔で抑制のきいた文章の格調の高さは近代日本文学の最高峰。心に突き刺ささってくるものがあります。そのほか『最後の一句』『寒山拾得』『舞姫』『雁』『阿部一族』など。気に入れば『渋江抽斎』などの史伝も。
◆幸田露伴
夏目漱石、森鷗外と並ぶ明治の文豪の一人。格調高く慈味あふれる文章。語彙の豊富さに圧倒されます。わりあい読みやすいのは『観画談』『幻談』『太郎坊』『連環記』など。代表作は文語体の『五重塔』『運命』『いさなとり』など。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1345751878?fr=and_other
◆樋口一葉
『たけくらべ』『にごりえ』など。
◆島崎藤村
まず、部落問題を扱った『破戒』がおすすめ。そして、幕末・維新の激動期を生きた人々を詳細に描いた大作『夜明け前』。
◆国木田独歩
胸をしめつけるような哀切な感じの美しい短篇が多い。『忘れえぬ人々』『春の鳥』『運命論者』『牛肉と馬鈴薯』『空知川の岸辺』『武蔵野』など。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10129383705?fr=and_other
◆泉鏡花
怪異と妖美を描いた作品が多い。繊細で個性的な美文。取っつきにくそうに見えて、読み始めると面白い。 『高野聖』『外科室』『春昼・春昼後刻』『草迷宮』『眉かくしの霊』など。
◆野上弥生子
超人的な文章力。『海神丸』『秀吉と利休』『真知子』『迷路』『森』など。
◆谷崎潤一郎
作品ごとに変わる変幻自在で華麗な文体。『春琴抄』『吉野葛』『盲目物語』『蘆刈』『細雪』など。
◆芥川龍之介
構成美のある短篇。古典を題材にしたものが多い。晩年には鬼気迫る作品、読む側が滅入るような作品が目立つ。『藪の中』『羅生門』『鼻』『杜子春』『芋粥』『奉教人の死』『地獄変』『河童』『大導寺信輔の半生』『玄鶴山房』『歯車』など。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14231442589?fr=and_other
◆武者小路実篤
『友情』は青春時代の恋愛と友情の相克を描いた名作。私は涙が止まらなかった。『愛と死』
もおすすめ。
◆志賀直哉
小説の神様。無駄のない正確で平明な文章。『清兵衛と瓢箪』『小僧の神様』『剃刀』『暗夜行路』など。
◆梶井基次郎
幻想的な月明かりの下の出来事を描いた『Kの昇天』が印象的。ほかに『檸檬』『闇の絵巻』『のんきな患者』など。
◆中島敦
劇的な物語の中で、身につまされるような苦悩、呻き、後悔、憧れ、誇りなどを漢文調の格調のある文体で真摯に、鮮やかに描き出す。『李陵』『弟子』『山月記』『名人伝』『悟浄出世』『悟浄歎異』『文字禍』など。
◆宮沢賢治
『注文の多い料理店』『貝の火』『ビジテリアン大祭』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』
など。
◆太宰治
『駈込み訴え』『女生徒』『お伽草紙』『斜陽』『人間失格』
など。
◆折口信夫
『死者の書』は難解だけれど謎にみちた魅力的な小説。
◆久生十蘭
『母子像』は世界短篇小説コンクールで第一席を獲得した。ほかに『湖畔』『ハムレット』『海豹島』『魔都』など。
◆下村湖人
長篇『次郎物語』は運命と愛と永遠をテーマにした教養小説。短篇集『論語物語』は孔子が主人公。
◆武田泰淳
極限状況下での食人事件を題材にした短篇『ひかりごけ』。ほかに『蝮のすゑ』『森と湖のまつり』『富士』
など。
◆坂口安吾
『桜の森の満開の下』は凄絶な幻想美が描かれた短篇。ほかに『白痴』『青鬼の褌を洗う女』『夜長姫と耳男』など。
◆川端康成
ノーベル賞受賞作家。『伊豆の踊子』『山の音』『眠れる美女』『古都』『雪国』など。
◆稲垣足穂
『一千一秒物語』は、星や月がいっぱい登場する、詩のような短篇集。ほかに『弥勒』『人間人形時代』
など。
◆石川淳
文体がカッコいい。思考の束縛を解き放つような、不思議な面白さ。『紫苑物語』『前身』『八幡縁起』『白頭吟』『六道遊行』『荒魂』『狂風記』など。
◆山本周五郎
時代小説家。薄っぺらな義理人情を突き破り、普遍的で根源的な価値を追求。読むと目頭が熱くなる。短篇集では『松風の門』『おごそかな渇き』『日本婦道記』、長篇では『正雪記』『栄花物語』『樅ノ木は残った』『ながい坂』など。
◆三島由紀夫
格調のある美しい日本語。現代の古典。『憂国』『中世』『近代能楽集』『仮面の告白』『金閣寺』『豊饒の海』など。
◆大岡昇平
『野火』は極限状況下の人間を緻密に描いた戦争文学の代表作。必読。ほかに『俘虜記』『レイテ戦記』など。
◆埴谷雄高
『死霊』は深遠な形而上学的思索が繰り広げられた難解な長篇。
◆安部公房
幻想的でシュールな作品が多い。海外での評価が高く、急死しなければノーベル文学賞を受けていただろうと言われる。『砂の女』『壁』『他人の顔』『燃えつきた地図』『箱男』『友達』など。
◆井上靖
『天平の甍』『蒼き狼』『敦煌』などの歴史小説には格調がある。
◆堀田善衞
まず、戦争に絡んだ短篇集『橋上幻像』を。ほかに『広場の孤独』『若き日の詩人たちの肖像』『方丈記私記』『ラ・ロシュフーコー公爵傳説』
など。
◆辻邦生
絶望と再生と喜びの真摯な物語。文章も描写される情景も堪らなく美しい。『光の大地』『雲の宴』『夏の砦』『安土往還記』『ある生涯の七つの場所』『黄金の時刻の滴り』『西行花伝』など。リンク先も参照してください。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12206632107?fr=and_other
◆三浦哲郎
透明な空気のような文章。『忍ぶ川』『白夜を旅する人々』『素顔』『みちづれ』『ふなうた』『わくらば』など。
◆石牟礼道子
万葉びとが現代によみがえって綴ったような、みずみずしい詩的な文章。『苦海浄土 わが水俣病』『椿の海の記』『十六夜橋』『西南役伝説』など。
◆丸山健二
緊迫感と美しさが調和した、解像度の高い詩的な文章。『夏の流れ』『夜釣り』『水の家族』『野に降る星』『争いの樹の下で』『ぶっぽうそうの夜』など。