東京都青少年育成条例改正案って 可決されたって本当ですか？なんか7月から実行と聞いたのですが・…

まず、定義が曖昧なのが大問題です。

>>青少年の性描写、強姦等反社会的な行為
また、「等」と「反社会的な行為」も曲者です。
「等」があるので規制対象は「性描写、強姦」意外にも及び、「犯罪」は「反社会的」ですから、海賊など「犯罪者」を主人公とした物にも適応できてしまいます。

法というものは条文が全てであり、東京都の見解など何の法的拘束もありません。
実際に、法制定後に経済産業省が見解を変えて大問題となったPSE法の前例があります。
条文において適応可能な記載となっていれば、それが適応される可能性があります。
だからこそ、曖昧な法は危険なのです。

さらに、「有害」を判断する「有識者」の不透明性など、この条例案は「日本」の人権擁護法案(人権侵害救済法案)と同様の問題を抱えています。
「人権委員会」が「差別」と「判断」したら規制となる人権擁護法案に対して、「有識者」が「有害」と「判断」したら規制される非実在青少年規制という形です。

また、東京都側も発言がブレブレです。
東京副知事は自身のブログで次のように述べています。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1438788689
>>今回の条例にある「性交又は性交類似行為」とは、児童ポルノ法等において使用されている法令用語であり、「性交類似行為」とは、手淫、口淫、肛門性交、獣姦、鶏姦など、実質的に性交と同視しうる態様における性的な行為を指すとされている。
>>この規定は、これらの性交又は性交類似行為を直接明確に描写したものに限定され、性交を示唆するに止まる表現や、単なる子どもの裸や入浴・シャワーシーンが該当する余地はない。

http://www.youtube.com/view_play_list?p=32ADD3EBA21971AC
しかしながら、BSフジの番組で槍玉に上げたのは番組で取り上げた漫画は「バナナ」や「練乳」により「性交を示唆する描写」のある漫画で、実際の性交シーンは有りません。
この漫画は規制を逆さに取って、「示唆」することにより表現することを目的としているので当たり前ですが。
まあ、コミックスコード制定後のアメリカで規制ギリギリの表現で当局とチキンレースを繰り広げた状況に似ています。
それはともかく、バナナを食べるシーンや練乳の描写が、表現の仕方によって規制の対象になるなら、そこには「主観的な判断」あるいは「恣意的な判断」が存在する余地が生じます。
実際の所、バナナや練乳を用いて性的な示唆をする描写は、性的な知識のある人にしか理解できず、知識のない子供には理解することが出来ませんし、理解する知識がある人にとってはいまさらなことです。
また、副知事が所持しているもう一冊の本は、すでに東京都により有害指定されており、「子供の手に届くところにある」には当てはまりません。

このような「有識者」の発言が食い違っている事自体が条令案が曖昧であり拡大解釈の危険性があることを示しています。
さらに、「良い表現」と「悪い表現」を行政側の価値観により決定し、それを全ての人に押し付けようとする傾向があります。

>>アメリカの判決、日本モノＤＬ禁固２０年。言論表現でなく規範の問題。押し付けでない。キリスト教世界ではそういう常識がある。日本もそういう順序を示さねば
>>表現の自由は政府とかに物言う権利であって創作表現の自由じゃない
>>ただただエロばっかが続くような漫画は低レベルだから表現物とは言えない

番組内のこれらの発言からも善悪二元論的な思想が伺えます。
また、報道や東京青少年問題協議会などで不適切な表現として「近親相姦」をことさら強調しています。
法に触れない「近親相姦」を犯罪である「強姦」と並列しているくらいです。
これも特定の価値観の押し付けであることを示しています。
これは某宗教において「近親相姦」が強く禁忌とされていることと関係あるのでしょう。

可決されて無いと思います。

可決されたら抗議します。