夏目漱石の「こころ」が好きなのですが、同じ時代の小説なのでオススメはありますか? 夏目漱石の作… 2022/9/24 未分類 🔊 AI音声で読み上げ 夏目漱石の「こころ」が好きなのですが、同じ時代の小説なのでオススメはありますか? 夏目漱石の作品でもそれ以外の作家でも王道の作品でも大丈夫です。沢山教えていただけると嬉しいです。
夏目漱石と同時代──明治・大正時代──に活躍した作家の名作を挙げてみます。できるだけコメントを添えて紹介します。食指の動くものがあれば、ぜひお読みください。
◆夏目漱石
『こころ』以外では『坊っちゃん』『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』『道草』『明暗』『吾輩は猫である』『草枕』などをすすめます。そのほか、講演、随筆、漢詩などもおすすめ。リンク先で、より詳しく紹介しました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14227785499?fr=and_other
◆森鷗外
まず『高瀬舟』と『山椒大夫』をお読みください。簡潔で抑制のきいた文章の格調の高さは近代日本文学の最高峰。心に突き刺ささってくるものがあります。そのほか『最後の一句』『寒山拾得』『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『渋江抽斎』などの史伝もおすすめ。
◆幸田露伴
夏目漱石、森鷗外と並ぶ明治の文豪の一人。格調高く慈味あふれる文章。語彙の豊富さに圧倒されます。わりあい読みやすいのは『観画談』『幻談』『太郎坊』『連環記』など。代表作は文語体の『五重塔』『運命』『いさなとり』など。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1345751878?fr=and_other
◆樋口一葉
『たけくらべ』『にごりえ』など。
◆島崎藤村
まず、部落問題を扱った『破戒』がおすすめ。そして、幕末・維新の激動期を生きた人々を詳細に描いた大作『夜明け前』。
◆国木田独歩
胸をしめつけるような哀切な感じの美しい短篇が多い。『忘れえぬ人々』『春の鳥』『運命論者』『牛肉と馬鈴薯』『空知川の岸辺』『武蔵野』など。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10129383705?fr=and_other
◆泉鏡花
怪異と妖美を描いた作品が多い。繊細で個性的な美文。取っつきにくそうに見えて、読み始めると面白い。 『高野聖』『外科室』『春昼・春昼後刻』『草迷宮』『眉かくしの霊』など。
以下は、漱石より少しあとの作家ですが、紹介します。
◆野上弥生子
超人的な文章力。『海神丸』『秀吉と利休』『真知子』『迷路』『森』など。
リンク先は『秀吉と利休』について。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13106762213?fr=and_other
◆谷崎潤一郎
作品ごとに変わる変幻自在で華麗な文体。『春琴抄』『吉野葛』『盲目物語』『蘆刈』『細雪』など。
◆芥川龍之介
構成美のある短篇。古典を題材にしたものが多い。晩年には鬼気迫る作品、読む側が滅入るような作品が目立つ。『藪の中』『羅生門』『鼻』『杜子春』『芋粥』『奉教人の死』『地獄変』『河童』『大導寺信輔の半生』『玄鶴山房』『歯車』など。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14231442589?fr=and_other
◆武者小路実篤
『友情』は青春時代の恋愛と友情の相克を描いた名作。私は涙が止まらなかった。『愛と死』
もおすすめ。
◆志賀直哉
小説の神様。無駄のない正確で平明な文章。『清兵衛と瓢箪』『小僧の神様』『剃刀』『暗夜行路』など。
◆梶井基次郎
幻想的な月明かりの下の出来事を描いた『Kの昇天』が印象的。ほかに『檸檬』『闇の絵巻』『のんきな患者』など。
◆中島敦
劇的な物語の中で、身につまされるような苦悩、呻き、後悔、憧れ、誇りなどを漢文調の格調のある文体で真摯に、鮮やかに描き出す。『李陵』『弟子』『山月記』『名人伝』『悟浄出世』『悟浄歎異』『文字禍』など。
◆宮沢賢治
『注文の多い料理店』『貝の火』『ビジテリアン大祭』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』
など。
◆太宰治
『駈込み訴え』『女生徒』『お伽草紙』『斜陽』『人間失格』
など。
◆折口信夫
『死者の書』は難解だけれど謎にみちた魅力的な小説。
◆久生十蘭
『母子像』は世界短篇小説コンクールで第一席を獲得した。ほかに『湖畔』『ハムレット』『海豹島』『魔都』など。
◆下村湖人
長篇『次郎物語』は運命と愛と永遠をテーマにした教養小説。短篇集『論語物語』は孔子が主人公。
◆武田泰淳
極限状況下での食人事件を題材にした短篇『ひかりごけ』。ほかに『蝮のすゑ』『森と湖のまつり』『富士』
など。
◆坂口安吾
『桜の森の満開の下』は凄絶な幻想美が描かれた短篇。ほかに『白痴』『青鬼の褌を洗う女』『夜長姫と耳男』など。
◆川端康成
ノーベル賞受賞作家。『伊豆の踊子』『山の音』『眠れる美女』『古都』『雪国』など。
◆稲垣足穂
『一千一秒物語』は、星や月がいっぱい登場する、詩のような短篇集。ほかに『弥勒』『人間人形時代』
など。
◆石川淳
文体がカッコいい。思考の束縛を解き放つような、不思議な面白さ。『紫苑物語』『前身』『八幡縁起』『白頭吟』『六道遊行』『荒魂』『狂風記』など。
◆山本周五郎
時代小説家。薄っぺらな義理人情を突き破り、普遍的で根源的な価値を追求。読むと目頭が熱くなる。短篇集では『松風の門』『おごそかな渇き』『日本婦道記』、長篇では『正雪記』『栄花物語』『樅ノ木は残った』『ながい坂』など。
漱石の『こころ』と同じようなシリアスな作品(国内外の作品)を紹介したリンクも貼っておきます。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12232380117?fr=and_other,ありがとうございます。
是非一度読んでみようと思います。,ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
とても丁寧にありがとうございます。
是非読んでみたいと思います。
他の回答して下さった方もありがとうございました。
「同じ時代の小説」となると、『こころ』と同様、乃木希典の【殉死】に触発され、自己と明治との関係を反省的に凝視しようとする動機で書かれた鴎外の『興津弥五右衛門の遺書』をお薦めいたします。
鴎外も漱石も、明治の終焉を機に、明治人として生きてきた自分自身を客観視することで、「新しい大正の時代をいかに生きるべきか?」を見定めようとしたと考えられます。
「人間失格」(太宰治)は「こころ」のように内面の葛藤などを描いてます。
漱石作品なら未完の代表作「明暗」がいいと思います。
「こころ」は私も好きで、何度も読み返しました。
以下ご紹介する作品はかなり昔に読んだきりなので、
表題を見て、何度か読み返した本を挙げておきますね。
・嶋崎藤村「春」
・武者小路実篤「若き日の思い出」「愛と死」「真理先生」