音声で被告人に質問も…機械は人を裁けるか?日本初“AI裁判”未来と残る課題(2023年5月15日) | 質問の答えを募集中です! 音声で被告人に質問も…機械は人を裁けるか?日本初“AI裁判”未来と残る課題(2023年5月15日) | 質問の答えを募集中です!

音声で被告人に質問も…機械は人を裁けるか?日本初“AI裁判”未来と残る課題(2023年5月15日)

音声で被告人に質問も…機械は人を裁けるか?日本初“AI裁判”未来と残る課題(2023年5月15日)
対話型のAI『チャットGPT』が裁判官を務める日本初の“AI模擬裁判”が、東京大学の学園祭『五月祭』 で行われました。

AI裁判官は3人。別々の人格を持って、審理に参加しています。

AIが裁く事件の概要です。
被告人は、犯罪の実行に直接関わらなくても、実行者と同罪となる『共謀共同正犯』に問われています。被告人は、ストーカー行為を過激化させた一ノ瀬さんを遠ざけるため、当時、交際していた男に相談。二人の話し合いの場で、一ノ瀬さんはナイフで刺され、死亡します。殺人の関与を示すものは“第三者による証言” のみです。
弁護人:「ストーカー行為が始まったのは、いつごろでしたか」
被告人:「別れてすぐです。2週間も経っていなかったと思います」

裁判所から質問します。
AI裁判官:「事件当日、あなたは三井さんと一ノ瀬さんが会うことを知っていましたか。もし、知っていた場合、どのような結果を予想していたのでしょうか」

そして、AI裁判官による判決が言い渡されました。
AI裁判官:「主文、被告人・二村は、殺人罪の共犯とは認められないため無罪とする。二村は一ノ瀬に対して『早く死んでほしい』と言っており、『殺したいほど憎んでいる』とも発言していたことが証言されている。しかし、これらの発言が、具体的な殺害計画につながると断定するには証拠が不十分である」

裁判の過程にAIが参加することについて、現役の検察官からは「供述の信用性をAIが判断できるかは未知数」「AIは責任が取れないから人間が判決を下すべき」といった声が集まっています。

裁判を企画した岡本さん。狙いは、問題提起にありました。
AI模擬裁判を企画した東京大学法学部3年・岡本隼一さん:「多いとは言えない裁判官で、日本中の事件を裁く。1人当たり150~200件を同時並行で処理しながら、現実に近づけた問題提起ができないかと考え、『AIが法律を操る未来』をほかの方々に考えていただこうと思って。技術が発展して、いろんな人の手に届く。現代がもたらした恩恵ですから、さらに多くの人の手に届くようになってほしい」

◆このAI裁判を元裁判官はどう見るのでしょうか。木谷明弁護士に聞きました。

木谷さんは「今回は有力な証拠はなく、無罪判決は妥当」としたうえ、「裁判にAIを導入するアイデアは面白いが、判決における解釈は時代とともに変化する。過去の裁判データが今も正しいとは限らず、AIが常に妥当な判断ができるのか疑問」と指摘します。

AIの判断で人間が納得するかという問題についても木谷さんは「機械的な作業はAIで効率化できるかもしれないが、個々の被告の『情状』を完全に拾い出せるのか、裁かれる側も納得がいくのか、課題は残る」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp



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