Steamはゲームの販売本数を公開していませんが、それに近い数字を知ることのできるSteamSpyというサイトがあります。
先日GameDev板に「How accurate is SteamSpy?(SteamSpyってどれくらい当てになるの?)」というスレが立ち、そこでSteamSpy運営者が直接回答していたのでご紹介します。
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galyonkin(※SteamSpy運営者):
やあ、僕が運営者です。
SteamSpyにはいくつか限界があって、まず「フリーウィークエンド」(※)の影響を考慮に入れる必要がある。
(※一部のゲームにおいては数日間だけ無料化するような試みを行っているようです。その間に遊んだセーブデータは保存されるのでSteamSpy上で「所有者」としてカウントされる模様)
それとオーナー数が3万人以下の場合はデータの信頼性が大きく損なわれる。
あと、データ収集のために3日間必要なので、新作ゲームの場合は注意して欲しい。
とはいえSteamSpyは市場調査の為には十分優秀なツールだ。
僕は本業はアナリストなんだが、仕事ですごく高価なツール(1万ドル以上するようなやつさ)をいくつも使ってるんだ。
でもSteamSpyは正確さの点でそれらに引けを取らないよ。
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「SteamSpyでは3万人以下の数字が表示されるけど、実際のオーナー数は3万人以上」みたいなことってある?
例えばこのJumpJet Rexってゲームなんだけど、他の似たようなゲームと比べてオーナー数がかなり少ないように見えるんだよね。発売日からほとんど数字が伸びてないみたいだし。
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galyonkin(※SteamSpy運営者):
実際のオーナー数が少ないとSteamSpyに表示される結果も信頼性が低くなる。
でも「SteamSpyでは3万人以下だけど、実際は3万人以上」ってことはまずないね。
JumpJet Rexについては、ユーザー数が2000人程度じゃ、信頼できるデータにはならないね。
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このゲームの数字についてはどう解釈すればいいの?
(※オーナー数が18000人なのに対してプレイヤー数が800人と表示されてます)
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galyonkin(※SteamSpy運営者):
このケースでは、オーナー数の項目だけが多少なりとも当てにできると言える。
他の項目についてはデータ数が少なすぎるね。
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僕自身の経験、そして他の制作者と話してみた結果からも、SteamSpyの精度はかなり高いと言える。
二つ指摘したい:
1)運営者自身も言ってるように、フリーウィークエンドやデータ数によってSteamSpyの精度は制限される。
2)バンドルセール、割引きセール、サンプルプレゼントなどの影響を考慮する必要がある。
当たり前なことだけど、「オーナー」という意味は必ずしも購入者とイコールではない。
セールの時に買ったオーナーもいれば、正価で買ったオーナーもいる。
要するにSteamSpyのデータからゲームの売り上げを推し量る際にはそういった点も考えて、見積もりを低くする必要があるってこと。
※↑この人のゲームはこちら:NEO Scavenger
SteamSpyのデータによると11万本売れてますね。
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SteamSpyのAboutのページ、およびgalyonkinさんの発言履歴をまとめると:
・Steamにディベロッパーとして登録されると、いくつかの内部データを閲覧できるようになる。
自分のアカウント情報を公開設定しているユーザーのデータも取得でき、SteamSpyはそれを元にしている。
・30万人のユーザーを3日間毎にサンプル採取し、300万データポイントに基づいて数字を割り出している。
・「僕はロシアの政府や新興財閥の手先じゃないよ(´▽`) ウクライナ人でキエフに住んでます」
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【余談】
ウクライナ人と聞いて、ウクライナ人クリエイターが作ったこのゲームを思い出しました。
ファミコンへの愛を感じる作品ですね…
Castle In The Darkness
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